2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属ガラス成膜の最適化と高性能MEMSデバイスへの展開
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22760552
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳 延輝 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (70506469)
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Keywords | 金属ガラス / 薄膜 / MEMS |
Research Abstract |
最終年度は、薄膜/基板アセンブルの機械的特性評価に焦点を当てた。 機械的特性評価の前に、多元系金属ガラス薄膜の、成長メカニズム、微細構造、化学組成、熱的特性を系統的に評価した。スパッタ出力とアルゴンガス圧が、金属ガラス薄膜の成長に起因する重要な因子であることがわかった。スパッタ条件を連続的に変えることによって、薄膜の成長モードの動的非平滑化(ラフネス)と動的平滑化との遷移が見られることがわかった。薄膜の表面粗さは20nmから原子レベルの平滑まで、アルゴンガス圧を減らし、スパッタ出力を増やすことで制御できた。合金ターゲットの微細構造は、薄膜の組成や成長モードに影響を与えなかった。一般的にバルク金属ガラスターゲットは、少し高いスパッタ速度で成膜される。しかしながら、多結晶のターゲット材料を使うことは、材料費を劇的に下げることができるため、金属ガラス薄膜の工業化には重要である。電子顕微鏡によって、成長モードが動的平滑化の場合に薄膜とシリコン基板の界面に強固に結合されていることがわかった。 金属ガラス薄膜の特徴的な微細構造から、異なる機械特性を示すことが考えられる。したがって、ナノインデンテーションによって機械特性を評価を行った。これによれば、表面の粗さが大きな場合には硬度には大きなばらつきがあった。しかしながら、薄膜が平滑な時は、硬度のばらつきが少なかった。この結果は、作製条件は薄膜成長モードだけでなく、他の特性にも影響を与えることを示唆している。
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Research Products
(2 results)