2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760553
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
仁野 章弘 秋田大学, 工学資源学研究科, 助教 (80451649)
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Keywords | 炭化タングステン / 焼結 / バインダーレス / 硬度 / 機械的性質 / 微細組織 |
Research Abstract |
WCに他炭化物を添加し、粒成長抑制因子を調べ、WCの粒成長を抑制した機械的性質に優れるバインダーレスWC系超硬質セラミックス形成のための指針を得ることを目的とする。金属バインダーを含む超硬合金において、特に粒成長抑制効果があると知られる、V_8C_7およびCr_3C_2を他炭化物として選択した。焼結体は短時間かつ難焼結性材料でも焼結可能な通電加圧焼結法により作製し、構成相、組織、V_8C_7およびCr_3C_2の存在形態を調べた。WCにV_8C_7を添加したが、WC平均粒径はほとんど変化しなかった。そこでV_8C_7添加量を一定量とし、炭素添加量を0~6mol%に変化させた。相対密度は99%以上となり、炭素添加量が増加しても緻密な焼結体の形成が可能であった。構成相については、2mol%C添加によりW_2C型結晶相が消滅し、WCと(v,w)C固溶体の2相が形成した。6mol%C添加の焼結体では、機械的性質の低下もたらす炭素が残留した。W_2C型結晶相が消滅するとWCの平均粒径は著しく増加し、硬さは逆に著しく低下した。硬さはWC平均粒径に支配的であった。WC粒界には、W_2C型結晶相をはじめとする析出物は確認されなかった。WC-V_8C_7セラミックスでは、粒状のW2C型結晶相の存在が粒成長抑制の支配因子であると考えられる。Cr3C2添加の場合も緻密な焼結体が形成した。構成相はW_2C固溶体相に加え、WC固溶体相が形成した。V_8C_7添加の場合と異なり、WC中にはCrが固溶し、Cr_3C_2ベースの固溶体は形成しなかった。W2C固溶体相の存在およびWC固溶体形成によりWCの粒成長が抑制されると考えられる。WC平均粒径は、W_2C固溶体相が消滅するとわずかに増加し、硬さも低下した。これら他炭化物添加では、炭素を添加し、W2C型結晶相を少量残留させることが機械的性質向上に効果的であることがわかった。
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Research Products
(4 results)