2011 Fiscal Year Annual Research Report
荷重振動鍛造の金型弾性回復による自動再潤滑のメカニズム解明及び薄肉部品への適用
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22760555
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
前野 智美 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80505397)
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Keywords | 振動 / 板鍛造 / 潤滑 / 摩擦低減 / 再潤滑 / サーボプレス / 高精度 / 荷重低減 |
Research Abstract |
成形中の荷重を振動させて金型の弾性回復を利用して潤滑剤を自動的に再潤滑させる荷重振動鍛造を開発し,そのメカニズムを解明することを目的にアルミニウム合金板材の荷重振動圧縮を行った.荷重振動を数回行うことによって圧縮荷重が40%程度低減する効果を得ることができた.また荷重振動の摩擦低減効果のメカニズムとして,完全に荷重を除荷しなくても金型が弾性回復することによって圧縮される素材と金型との間に隙間が生じて,周囲の潤滑剤が隙間に浸入する自動再潤滑が明らかになった.メカニズムが明らかになったことによって,荷重振動の応用方法が明らかになり,荷重振動を実用する上で重要な知見となった. 後方押出しによる容器成形に荷重振動を適用した.荷重振動を行う事によって同じ最大荷重において得られる容器の側壁高さが向上することが分かった.また容器内面の表面粗さも低減することができた. つぎに,アルミニウム合金棒材にヘッディングおよび圧縮によってフランジ成形を行い荷重振動を適用した.荷重振動を行うことによって,フランジ部の摩擦が低減して材料が半径方向に拡がりやすくなり,軸側に押戻される材料が低減した. つぎにステンレス合金板の円形ディスクの外周部を圧縮する段差付け加工に荷重振動を適用した.荷重振動によって最大荷重が低減されることによって工具への接触面圧を低減することができた.荷重振動によって底部ひけ深さ,凸部だれ高さおよび凸部側壁ひけを低減することができ,形状精度を向上することができた.焼付きの生じやすいステンレス鋼板の加工においても荷重振動によって軟鋼板と同程度の表面性状を得ることができた. 荷重振動によって摩擦が低減することによって,金型面圧の低減や形状精度の向上が得られることは高精度な板鍛造製品の加工において意義がある.
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