2010 Fiscal Year Annual Research Report
多機能複合クラスタービームを用いた新規ナノ材料創成・加工技術基盤の開発
Project/Area Number |
22760557
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬木 利夫 京都大学, 工学研究科, 講師 (00402975)
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Keywords | クラスター / 量子ビーム科学 / ナノプロセス / 複合ビーム |
Research Abstract |
多機能な複合クラスタービームの形成技術を開発し、これを用いた新規のナノ材料創成・加工技術基盤を開発することを目的として、初年度であるH22年度は反応ガスと金属材料、蒸着支援ガスと液体有機物材料等、常温常圧における物質の態(固体・液体・気体)を問わず混合した複合クラスターを生成するための複合クラスター形成装置の構築、及び多元素複合クラスターに関する情報収集を中心に研究を行った。具体的には、ノズルから真空中への高圧ガスジェット噴流を用いてガスクラスターを生成する既存のガスクラスター発生装置のノズルへの材料ガス導入部にバブリング装置を付加し、ガス材料中に液体材料を取り込ませ、両材料が混合したガスをノズルに供給するシステムを構築した。これを用いて、液体(メタノール)・気体(アルゴン)混合複合クラスターの生成を試験し、ビーム強度の測定やクラスターサイズの評価およびクラスター中に含まれる分子種の評価を行った。この結果、室温に於いてもバブリングにより過飽和状態の混合ガスを発生させノズルに供給することで、Ar-メタノール複合クラスターを生成できることを示した。さらに、Ar-水複合クラスター生成についても評価を行い、その生成の可能性を示した。また、イオンビーム技術関連の国際学会等において、クラスターの生成や輸送、及び応用に関する研究発表を行い、国内外の研究者と意見交換するとともに、複合クラスタービーム形成とその応用に関する情報収集を行った。
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