2011 Fiscal Year Annual Research Report
多機能複合クラスタービームを用いた新規ナノ材料創成・加工技術基盤の開発
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22760557
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬木 利夫 京都大学, 工学研究科, 講師 (00402975)
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Keywords | クラスター / 量子ビーム科学 / ナノプロセス / 複合ビーム |
Research Abstract |
多機能な複合クラスタービームの形成技術を開発し、これを用いた新規のナノ材料創成・加工技術基盤を開発することを目的として、平成22年度に設計導入した、常温常圧における物質の態(固体・液体・気体)を問わず混合した複合クラスターを生成するための複合クラスター形成装置を用い、液体・気体混合複合クラスターの生成・照射試験を実施した。液体(CH_3OH)・気体(Ar)混合複合クラスターを生成し、これをイオン化加速してSi基板に照射したところ、純Arクラスターに比べて2-3倍高いエッチング速度を示した。また、複合クラスター照射により放出された二次イオンを評価した結果、メチル基とSiが結合したことを示唆するジメチルシラン(SiH_2(CH_3)_2)由来のシグナル(m/z:58~60)が観測され、複合クラスター照射により反応性エッチングが起こっていることが分かった。異種気体混合複合クラスターの生成とその応用に向けた研究では、ClF_3とArの混合ガスによる複合クラスターを生成し、イオン化・加速を行ってSiおよびSiO_2エッチング速度の加速エネルギー依存性を評価した。これによりエッチング速度および選択比は加速エネルギーに大きく依存することを示した。また、イオンビーム技術関連の国際・国内学会において、複合クラスターの生成や応用に関する研究発表を行い、国内外の研究者と意見交換するとともに、複合クラスタービーム形成とその応用に関する情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複合クラスター形成に関する基礎的なデータの取得や表面照射効果の調査に関しては、複合クラスターの生成・照射試験を実際に行い、複合クラスター照射による反応性エッチングも確認している。異種気体混合複合クラスターの生成とその応用についても表面照射効果のデータ収集が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに生成した複合クラスターの照射特性評価を継続して進めると共に、新規の複合クラスター生成の挑戦を行っていく。
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