2011 Fiscal Year Annual Research Report
高精度塑性加工解析のための微小押込み試験による材料のマイクロ塑性流動特性評価
Project/Area Number |
22760563
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
古島 剛 首都大学東京, 理工学研究科, 助教 (30444938)
|
Keywords | マイクロ加工 / 硬さ試験 / マイクロ塑性流動 / 不均質性 |
Research Abstract |
本研究は,微小押込み試験によってマイクロ塑性流動特性を評価することを目的としている.今年度は,アルミニウム合金,鋼板,銅合金,マグネシウム合金などの様々な材料に対し,微小押込み試験を行い,結晶粒単位のマイクロ塑性流動特性の評価を行った.特に本研究では,押込み時に力を微小振動させる連続剛性測定法を用いてマイクロ塑性流動特性の評価を試みた.その結果,得られた硬さ-変位線図とマイクロ領域の応力-ひずみ曲線とは良い相関関係が得られなかったが,結晶粒ごとの硬さの値と変形抵抗のばらつきに良い相関関係があることがわかった.また押込み荷重が小さいと,より結晶粒内に圧子を押し込むことができるようになるため,硬さの値と変形抵抗のばらつきの相関関係が高いことがわかった.また昨年度提案した結晶粒の不均質性を考慮した有限要素解析結果と微小押込み硬さ試験の結果,単軸引張試験の結果をもとに,有限要素解析で表現可能なマイクロ塑性流動特性として,材料のもつばらつきを評価することに成功した.また得られたばらつきのパラメータを考慮した不均質性有限要素解析によって,均質な有限要素解析では表現不可能な多軸応力下の自由表面あれ現象の高精度予測に成功した.自由表面あれ現象は,表面粗さの値だけでなく,粗さのプロファイルや3次元的な表面あれ進展も非常に良く予測されており,目標である塑性加工解析の高精度化に大きく寄与できたと考えられる.
|
Research Products
(9 results)