2010 Fiscal Year Annual Research Report
水熱処理による生体吸収性マグネシウム合金の水酸アパタイト被覆
Project/Area Number |
22760568
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
廣本 祥子 独立行政法人物質・材料研究機構, 生体材料センター, 主幹研究員 (00343880)
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Keywords | マグネシウム / リン酸カルシウム / 水酸アパタイト / リン酸八カルシウム / 水溶液処理 / 高耐食性被覆 / 分極試験 / 生体材料 |
Research Abstract |
基材に純Mgを用い、処理溶液のCa源濃度を50mMから250mMに増加したところ、水酸アパタイト(HAp)被膜形成が促進され、均質な被膜が得られる処理時間を短縮できた。処理溶液の温度上昇によってもHAp被膜形成を促進することができた。また、処理溶液のpHが及ぼす影響を検討したところ、pH5.9ではリン酸八カルシウム(OCP)が、pH8.9および11.9ではHApを主成分とする均質な被膜が得られた。走査電子顕微鏡(SEM)による断面構造解析より、OCPおよびHApのいずれの被膜も、2~3μmの緻密な内層と、内層から成長した板状もしくは棒状結晶からなる5μm程の外層で構成されていることが明らかとなった。ここで、GD-OESによりpH5.9および8.9で作製した被膜成分を分析したところ、OCPやHApを構成するCa,P,O,Hに加えてMgやNaなどのカチオンが混在していることがわかった。透過型電子顕微鏡(TEM)-電子線回折では、被膜の内層および外層ともOCPもしくはHApによる回折パターンのみを示したことから、MgやNaなどのカチオンは、OCPやHAp構造に取り込まれている以外は、リン酸塩などのアモルファス状態で混在していると考えられる。 OCP被覆およびHAp被覆純Mgの3.5Wt% NaCl溶液中でのアノード分極試験より、リン酸カルシウム被覆により純Mgの耐食性が大幅に改善されること、およびHAp被膜の方がOCP被膜よりも高い保護性を示すことが明らかとなった。
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