2010 Fiscal Year Annual Research Report
冷媒利用に向けたハイドレートスラリーの平衡・輸送物性測定と実用性評価
Project/Area Number |
22760581
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
橋本 俊輔 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00506446)
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Keywords | 化学工学 / 平衡・輸送物性 / 移動操作 / ハイドレートスラリー / 省エネルギー |
Research Abstract |
計測システムの構築:オンラインプロセス粘度計(ビスコテック(株),MIVI7000,本研究費により購入)およびスラリーポンプに、自作のクラスレートハイドレート(CH)スラリー調製槽を流通(閉鎖)系として結合させ、CHスラリーの粘性・流動性の計測システムを構築した。スラリー調製槽は、回転翼撹拌式とした。また、スラリー中の結晶粒子径は、サンプリング後に顕微鏡で観察することで測定可能である。 完成した計測システムを利用して、粘性既知の試料(水や水飴)を用いた装置の校正を行い、その後臭化テトラブチルアンモニウム(TBAB,後述)をゲストとするCHスラリーについて測定を開始した。 CHスラリーの選定:精密相平衡測定(圧力-温度線図)ならびにCH中のゲスト分子の占有性の測定(顕微ラマン分光法による)と、それに基づく理論的な生成熱の推算結果を踏まえ、冷媒として最適なCH系として数種類のHFCガスを選定した(研究成果、雑誌論文[1,2])。また、TBARハイドレートは、その生成に際して履歴効果(一度生成させると二回目以降に生成しやすくなる)を持つことを顕微ラマン分光法によって確認した(研究成果、雑誌論文[3])。さらに、TBABハイドレートスラリー調製に対する種々の撹拌翼・条件の効果を検討し、より流動性に優れたスラリーの調製に有用な情報を入手した(研究成果、学会発表[1,2])。今年度に得られた情報は、CHスラリー調製にフィードバックし、高効率のスラリー調製の一助とする。
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