2011 Fiscal Year Annual Research Report
コアシェル型イオン交換性微粒子内包かご型マイクロカプセルの創製とその金属吸着特性
Project/Area Number |
22760582
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
神尾 英治 神戸大学, 大学院・工学研究科, 特命准教授 (30382237)
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Keywords | イオン交換樹脂 / グラフト重合 / 金属吸着 / マイクロカプセル |
Research Abstract |
本年度は、コアシェル型イオン交換性微粒子内包かご型マイクロカプセルに内包するイオン交換性微粒子調製手法の確立を目指し、(1)表面にイオン交換性高分子鎖を有し、(2)金属イオン吸着性を有し、(3)粒子径が1ミクロン以下で、(4)マイクロカプセル壁形成時に同時に連続相内に形成されることを特徴とするイオン交換性ヘア粒子の調製に関して検討を行った。昨年度の研究成果を基に、カプセル壁形成時に、連続相中に形成可能なイオン交換性ヘア粒子の創製では、カプセル壁と同じ架橋メラミン微粒子を基本骨格とする微粒子へのイオン交換性高分子鎖(ポリアクリル酸)のグラフト重合を行った。まず、ポリアクリル酸を粒子表面に修飾するためのグラフト重合開始点を導入すべく、メラミンが有するアミノ基の一部に塩化アクリロイルを反応させることによりビニル基を分子内に有するメラミン(アクリリックメラミン)を合成した。合成したアクリリックメラミンとメラミンをホルムアルデヒドと縮合反応させることにより3次元ネットワークを形成させ、ビニル基を有するメラミン微粒子を調製した。さらに、ラジカル重合開始剤としてベンゾフェノンを用いた紫外線照射ラジカル重合を行うことで、調製したメラミン樹脂上のビニル基へのアクリル酸のグラフト重合を行った。創製したポリアクリル酸グラフト架橋メラミン微粒子への銅イオン吸着性については吸着前後の水相中銅イオンの濃度減少を紫外・可視分光光度計および誘導プラズマ発光分光分析計を用いることで評価し、市販のイオン交換樹脂と同等あるいはそれ以上のイオン交換能を有することを確認した。 以上より、イオン交換性ヘア粒子の創製に成功したと言える。メラミン樹脂を骨格とするイオン交換性ヘア粒子はメラミン粒子と同様の手法でかご型マイクロカプセルに内包できると考えられるため、本年度の研究成果は非常に意義あるものと言える。
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