2010 Fiscal Year Annual Research Report
光重合誘起相分離による機能性ネットワークポリマー薄膜の創成と応用
Project/Area Number |
22760587
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀧 健太郎 京都大学, 工学研究科, 助教 (70402964)
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Keywords | 凍結 / 架橋 / 高分子 / 相分離 / 結晶 |
Research Abstract |
コロイド溶液や高分子溶液を一方向から凍結させることで、溶媒結晶と溶質の相分離を誘起し、溶媒結晶の結晶形態により溶質分子を配列させる手法を一方向凍結法と呼ぶ。この一方向凍結法はこれまでにナノ粒子やミクロン粒子のコロイド溶液や高分子溶液などにおいて、凍結方向に規則正しく孔が配列した多孔構造体を作成することに成功している。この手法は規則的な多孔構造体を簡便に作成する上で大変優れた手法であるが、現在のところ2点の問題点がある。1つ目は、凍結後に溶媒結晶を取り除き多孔構造体とするために凍結乾燥が必要であること。2つ目は、100ミクロンオーダーの大きな孔径を有する高分子多孔構造体を作成できないことである。我々はこの2点を解決するために、紫外線硬化樹脂のモノマーを有機溶媒に溶解し、一方向凍結させ、その後、凍結体に紫外線を照射しモノマー同士を架橋重合させた。この方法では、架橋重合したモノマーは溶媒に溶解しなくなるため、凍結乾燥を経ずに自然乾燥のみでも多孔構造体を得ることができた。また、モノマーは高分子に比べて分子量が低いため、同じ重量分率の溶液を作成しても、モノマー溶液は溶媒粘度に近い粘度を実現できた。このことは結晶成長速度を速める効果があり結果として、紫外線硬化樹脂のモノマー溶液で作成された多孔構造体は高分子溶液よりも大きな孔径(80ミクロン)を有することが明らかになった。今後は、孔径とモノマーの予備硬化の関係を明らかにすることで、孔径に与える粘度の影響について詳しく調べる。
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Research Products
(12 results)