2011 Fiscal Year Annual Research Report
太陽光を光源とする新規CaO触媒内包型マイクロカプセルを用いたBDFの製造
Project/Area Number |
22760593
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
古澤 毅 宇都宮大学, 工学研究科, 助教 (50375523)
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Keywords | バイオディーゼル燃料 / マイクロカプセル / 循環流通式反応装置 / 太陽光 / 光熱変換物質 / 光波長選択性 / 固体塩基触媒 / キセノンランプ |
Research Abstract |
昨年度見出したBDF(=FAME)合成反応における好適条件を基に、新規に作製した循環流通式反応装置およびCaO内包型マイクロカプセルを用いてBDF合成反応を試みた。まず、高いFAME合成速度を達成する上で好適なカプセル量/原料供給速度比(=W/Fと定義)としてW/F=4を見出した。次に、メタノール/油比を変更して検討した結果、循環流通式ではバッチ式とは異なり、メタノール/油比を4~16の範囲で増加させると、反応誘導期が短縮し反応速度が向上することが分かった。また、同反応条件下でバッチ式と循環流通式を比較すると、反応速度が格段に向上しており、原料供給速度とカプセル内から外への生成物の拡散速度を改善することで達成できたと考えた。さらに、ICP測定結果からバッチ式と比べて大幅にCa溶出を抑制していることを見出した。 また、カプセル膜強度の改善を目的とし、従来のアルギン酸膜にシランカップリング剤を導入することで、膜強度を改善し、Ca溶出を更に抑制し、破損率を30%から3%へと大幅に低減することに成功した。 さらに、キセノンランプ照射下でのFAME合成(溶液温度35℃)に昨年度成功しているCaO/活性炭内包型マイクロカプセルにおいて、今年度、CaO内包濃度5wt.%,カプセル量1.6g,反応温度55℃,撹搾速度350rpm,メタノール/油比=16が好適条件であることを見出した。また、同反応条件下(反応温度35℃)でキセノンランプと反応溶液との間に各種フィルターを設置し、FAME合成反応への光波長領域依存性を検討した結果、活性炭は可視および近赤外領域の光を選択的に吸収し熱エネルギーへ変換していることが分かった。以上の結果より、太陽光(可視および赤外領域が主)を駆動源とするFAME合成用カプセル型マイクロリアクターの構築に成功したと考えている。
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