2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760594
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山田 泰弘 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90546780)
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Keywords | 炭素材料 / 黒鉛 / ナノカーボン / 欠陥 / 制御 |
Research Abstract |
黒鉛を1層にした構造を有するグラフェンの欠陥は、光学的、磁気的、機械的、電気的、触媒としての反応性などに影響を与える。つまり、欠陥サイズの制御や欠陥生成における反応機構や成長機構の解明は、多分野で利用され波及する可能性が非常に高く重要な研究である。本研究では、5員環を含むフラーレンまたは6員環のみから形成される黒鉛上の炭素原子を2個から6個除去した空孔欠陥を導入することを目標とした。2種類の材料を比較することにより、5員環の空孔欠陥生成に与える影響について同時に調査することができる。この空孔欠陥を導入するため、本研究では下記の2種類の方法を適用した。1つ目の方法は、酸素とフラーレンまたは黒鉛とを200℃から300℃で反応させることにより、含酸素官能基を導入し、この官能基を欠陥の成長開始点とし、その後窒素中で加熱することにより、空孔欠陥のサイズを高密度化することを目的とした。また、過酸化物とフラーレンを反応させてエポキシ基を導入しこの官能基を欠陥の成長開始点とした。この官能基は、窒素中で加熱することで気体として炭素を含む二酸化炭素や一酸化炭素を放出し空孔欠陥を生成させた。 その結果フラーレンのようなvan der Waals力が関係するナノカーボンの場合、気相反応よりも液相反応の方が均一に空孔欠陥を生成させるには向いており液相反応であるエポキシ化とその後の加熱により欠陥生成が可能なことがわかった。また、黒鉛においては酸素との気相反応で250℃から260℃で反応させることにより、多くの欠陥が生成することがわかった。現在これらの欠陥の制御について研究を続けている。
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Research Products
(1 results)