2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760594
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山田 泰弘 千葉大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90546780)
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Keywords | カーボンナノチューブ / グラフェン / フラーレン / 欠陥 / 制御 / 酸素 / エポキシ化 / 黒鉛 |
Research Abstract |
黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、さらにフラーレンを酸素との気相反応又はエポキシ化による液相反応で官能基を導入し加熱により欠陥を導入し、そのサイズの制御を試みた。実験結果と同時進行で量子化学計算を行い、空孔欠陥の成長過程の理論的な解析を量子化学計算により行った。 酸素と黒鉛、カーボンナノチューブ、フラーレンの反応においては、酸素と220から250℃でも反応が進行していることを熱重量分析や熱電導度検出器-ガスクロマトグラフィーにより確認した。X線光電子分光分析、赤外分光分析、量子化学計算の結果よりカーボンナノチューブではラクトンが主に生成される。フラーレン上では、カルボニルが主に生成し、これを不活性雰囲気下で加熱するとラクトンへと変化しその後一酸化炭素または二酸化炭素となって空孔欠陥を生成することが分かった。220℃から250℃での酸素とグラフェンとの反応においては反応後に不活性雰囲気下で加熱したものを球面収差補正付透過型電子顕微鏡で観察し、空孔欠陥の存在が確認された。この空孔欠陥付近では、明視野像で明るい部分が確認されこれが残存酸素の可能性があるとして現在、これらがもとからグラフェンに存在する空孔欠陥かどうかの解析を進めている。 エポキシ化による空孔欠陥の導入ついてはフラーレンのみ行い、X線分光分析や赤外分光分析で解析を行った。フラーレンのエポキシ化では、エポキシ基のみならずカルボニルやラクトンも生成していることが明らかとなった。これを不活性雰囲気下で加熱するとエポキシやラクトンは減少し主に空孔欠陥とカルボニル基が残った。この反応機構を量子化学計算で求めたところ、エポキシが1つや2つの場合より3つ存在していたほうが加熱により反応が進行しやすく、最終的にX線分光分析や赤外分光分析で得られた結果と同様の構造が得られた。
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Research Products
(1 results)