2011 Fiscal Year Annual Research Report
構造を制御した中空カーボン粒子に内包させた金属ナノ粒子の反応性に関する研究
Project/Area Number |
22760597
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原田 隆史 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 技術職員 (00379314)
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Keywords | コア-シェル / パラジウム / 多孔性カーボン / ニッケル / 一酸化炭素のメタン化 |
Research Abstract |
本年度はパラジウムおよびニッケルを内包したコア-シェル構造体について構造が触媒反応に与える影響について検討を行った。パラジウム触媒は液相のアルコール酸化を、ニッケル触媒は気相の一酸化炭素のメタン化反応を用いて検討した。パラジウム触媒については反応させる基質のサイズを変えることでシェルの細孔の影響を調べた。反応基質の分子サイズが大きくなるにつれて反応性は低下し、含浸法を用いて活性炭に担持したパラジウム触媒でも同様の傾向を示した。しかし、コア-シェル型触媒は分子サイズの大きな基質に対して担持触媒よりも高い活性を維持していた。これあは、活性炭のミクロ孔内に担持されたパラジウム粒子は、基質サイズが大きくなるにつれて、細孔によって物質がパラジウム表面に到達できなくなるのに対して、コア-シェル構造体はシェルに比較的大きなメソ孔を有し、内部の空間にパラジウム粒子が存在するため、大きな基質に対しても担持触媒ほど影響を受けなかったものと考えられる。 逆ミセル法を利用することでニッケルを内包したコア-シェル構造体の調製に成功し、調製時の原料濃度を変化させることで、中空部分のサイズの制御が可能であることを見出した。中空部分のサイズの反応への影響を調べたところ、中空部分が小さい触媒ほど、一酸化炭素のメタン化反応は高い活性を示した。ニッケルの粒子サイズはほぼ同じであることから、中空部分が減少したことで反応ガスのニッケル表面へのアクセスが向上したためと考えられる。また、シェルの細孔径、細孔容積が高温で焼成するほど減少することを利用して、細孔の影響についても検討したところ、高温で焼成するほど活性の低下が見られた。ニッケルの粒子径は高温で焼成するほど増大するが、それを考慮しても大きな活性低下であることから、細孔が大きく減少したことで、反応ガスの拡散が抑制されたためだと考えられる。
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Research Products
(4 results)