2011 Fiscal Year Annual Research Report
優れた活性および耐久性を示す高機能性シリカ被覆脱水素触媒の開発
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22760599
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中川 敬三 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (60423555)
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Keywords | シリカ被覆 / 多孔性シリカ / シンタリング / 担持Pt触媒 / 担持Pd触媒 / 脱水素反応 / 有機ハイドライド |
Research Abstract |
本申請課題では,担体に担持された金属ナノ粒子のシンタリングや脱落等による活性劣化を抑制することが可能なシリカ被覆金属ナノ粒子触媒の応用拡大を目指し,高機能性シリカ被覆金属ナノ粒子触媒の開発と脱水素反応への展開を目的としている.以下に本年度得られた結果を示す. 1.多孔性シリカ被覆Pt触媒を用いて,固定床流通式反応装置による気相系シクロヘキサン脱水素反応へ応用した.触媒を予め高温加熱処理し触媒劣化試験を行った所,炭素担持Pt触媒と比較して,多孔性シリカ被覆Pt触媒では高い転化率が得られた.特にフェニル基を含む有機シランを用いて調製したシリカ被覆Pt触媒では,シリカ含有量が高い場合も他のシリカ被覆Pt触媒よりも高い転化率が得られたシリカ層がより多孔化し,シリカ層中への高い拡散性が得られたためと考えられる.以上より,多孔性シリカ層で被覆されたPt触媒は過酷な条件下でも優れたシンタリング耐性を有し,比較的大きなサイズの分子が関わる触媒反応においても有効であることが示された. 2.他金属種へ応用することを目的として,白金に比べ比較的豊富で安価なパラジウム(Pd)に注目し,シリカ被覆Pdナノ粒子を調製した.炭素担体上に高分散にPdナノ粒子が担持された.比較用の炭素担持Pd触媒では,加熱処理時にPdの粒子径が大きく増大したのに対し,シリカ被覆Pdナノ粒子では比較的シンタリングが抑制された.回分式シクロヘキサン脱水素反応を行ったところ,炭素担持Pd触媒では加熱処理により活性が大きく低下したが,シリカ被覆Pdナノ粒子では活性低下が抑えられ、比較触媒を上回る結果が得られた.このことから,Pdにおいても同様にシリカ層での被覆が可能であり,耐久性及び脱水素活性を向上させることが可能であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々の貴金属ナノ粒子をシリカ層で被覆することで耐久性が向上し,またシリカ層を多孔化することによりシクロヘキサン脱水素反応で高活性が得られており,当初の目的がほぼ達成されているため.
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Strategy for Future Research Activity |
シリカ被覆Pdナノ粒子におけるシリカ層の多孔化により,さらなる活性の向上を狙う.またシリカ被覆金属ナノ粒子触媒の高性能化を目指し,シリカ層への第二金属種の付与,あるいは多孔構造の精密制御に関する検討を行う.
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Research Products
(6 results)