2012 Fiscal Year Annual Research Report
優れた活性および耐久性を示す高機能性シリカ被覆脱水素触媒の開発
Project/Area Number |
22760599
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中川 敬三 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (60423555)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | シリカ被覆 / シンタリング / 担持Pd触媒 / X線吸収スペクトル / 脱水素反応 / 有機ハイドライド |
Research Abstract |
本申請課題では,担体に担持された金属ナノ粒子のシンタリングや脱落等による活性劣化を抑制することが可能なシリカ被覆金属ナノ粒子触媒の応用拡大を目指し,高機能性シリカ被覆金属ナノ粒子触媒の開発と脱水素反応への展開を目的としている.以下に本年度得られた結果を示す. 1.カーボンブラック担持Pd触媒(Pd/CB)をシリカ層またはフェニル基を含む有機シリカ層で被覆した影響を検討するため,高エネルギー加速器研究機構の放射光施設を利用したX線吸収スペクトル測定によりPdの構造解析を行った.まずシリカ被覆Pd触媒ではすべて金属Pdが形成していることが確認できた.また水素雰囲気下において加熱処理を行った場合,比較用のPd/CBではPdの配位数が大きく増大したのに対して,シリカ被覆Pd触媒では比較的小さく抑えられたころからPd粒子が小さく保たれたことが示唆される.この結果は電子顕微鏡観察やCO化学吸着測定の結果と一致していた.このことからシリカ被覆Pd触媒ではPdのシンタリングが抑制できることが明らかとなった. 2.シリカ被覆Pd触媒を用いて,固定床流通式反応装置による気相系シクロヘキサン脱水素反応へ応用した.反応温度を400℃とした時,比較用のPd/CBでは反応初期は比較的高い転化率を示したが時間と共に大きく減少する結果となった.これはPdのシンタリングにより劣化したためだと考えられる.一方,TEOSを利用したシリカ被覆Pd触媒では転化率はPd/CBよりやや低めであったが安定しており,数時間反応後にはPd/CBを上回る結果となった.Pdのシンタリングが抑制されたことが安定した脱水素活性につながったと考えられる.以上より,シリカ層で被覆されたPd触媒は熱耐久性を有し,シクロヘキサン脱水素反応において優れた脱水素触媒であることが示された.
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Research Products
(7 results)