2011 Fiscal Year Annual Research Report
低細胞毒性のセルロース溶媒を用いたリグノセルロースリファイナリー基盤技術の構築
Project/Area Number |
22760603
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
仁宮 一章 金沢大学, 環日本海域環境研究センター, 助教 (10379125)
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Keywords | イオン液体 / リグノセルロース / 超音波 / 低細胞毒性 / 糖化前処理 / 固体酸触媒 / 酵母 / 糖化 |
Research Abstract |
セルロース溶解性溶媒のうちコリン系イオン液体が酵母に対する毒性が顕著に低いことを初めて見出した。そこで、本研究では、コリン系イオン液体を利用したリグノセルロースからのエタノール製造プロセスを構築することを目的とする。これにより、低環境負荷かつ超高速・効率的にリグノセルロースから単糖を製造でき、安価にバイオ燃料を生産できる。 細胞毒性の低いセルロース溶媒の新たな候補として、8種のコリン系イオン液体を合成した。合成した8種類のコリン系イオン液体について、細胞毒性と糖化前処理能(リグノセルロース溶解度、糖化前処理効果)を検討し、既存のセルロース溶解性イオン液体と比較した。その結果、細胞毒性が低くかつ糖化前処理能も高いのは、コリン酢酸であることが分かった。 また、イオン液体にリグノセルロースを溶解させた上で、従来の加熱ではなく超音波を照射し続ける新規な方法についてその効果を定量的に検討することを目的とし実験を行った。その結果、約2時間の前処理を行うことで、その後の24時間の酵素反応により、リグノセルロース中のセルロースをほぼ100%糖化し、リグニンを残渣として分離回収できることが分かった。 「毒性の低いイオン液体であるコリン酢酸」と「超音波照射」を組み合わせたリグノセルロース糖化前処理法(IL法)の効果を様々なリグノセルロース系バイオマスに適応するとともに、エタノール発酵生産を行った。ケナフに加えて竹・もみ殻・杉・茶に対して、(IL法)糖化前処理を1時間行ったところ、糖化率は約60-70%まで向上し、エタノール収率は約45%に向上した。
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Research Products
(12 results)