2011 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の金属認識デザインによる次世代型レアメタルバイオキャッチャーの創製
Project/Area Number |
22760606
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒田 浩一 京都大学, 農学研究科, 准教授 (30432339)
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Keywords | レアメタル / 金属認識 / バイオキャッチャー / 応用微生物 / バイオテクノロジー / 酵母 / 細胞表層工学 |
Research Abstract |
細胞表層工学により、モリブデンやタングステンに対する次世代型レアメタルバイオキャッチャーを創製してきたが、リチウムを新たなターゲットした細胞分子育種に取り組んだ。リチウムは近年開発が進んでいる電気自動車など、これから大きな需要が見込まれる重要なレアメタルの1つであり、かん水中からの回収が行われている。そこで、データベースからLi^+吸着タンパク質を探索するとともに、新規Li^+吸着ペプチドの創製を試みた。酵母S.cerevisiae由来のイノシトールモノフォスファターゼ(IMPase)はイノシトール生合成に関わり、酵素活性にMg^<2+>を必要とするが、Li^+が金属結合ポケットの1つに結合することによって活性阻害を引き起こすことが知られている。そこでα-アグルチニンをアンカータンパク質とした細胞表層工学によって、IMPaseを細胞表層提示した酵母を作製した。また、これまでの研究において、(His)_6やメタロチオネインを細胞表層提示し、細胞表層での金属イオン吸着能を増大させることによって、野生型酵母では生育できない濃度の金属イオン存在下でも生育可能となったため、金属耐性を指標にLi^+結合ペプチドのスクリーニングを試みた。まず、25アミノ酸からなるペプチドのアミノ酸配列を全くランダムにしたランダムペプチドライブラリーを提示するためのプラスミドライブラリーを構築し、これを酵母に導入・発現させ、ランダムペプチドを細胞表層提示した酵母ライブラリーを構築した。スクリーニングの条件検討のため、何も提示していないコントロールで生育できない最小のリチウム濃度を調べたところ10mMであった。そのため構築した酵母ライブラリーを10mMのLiCO_3を含むプレート上に塗布して培養し、生育するものの選抜を行ったところ、Li+含有培地上でも生育可能な酵母を1つ得ることができた。選抜したLi^+耐性細胞は細胞表層提示したペプチドによりLi+を吸着していると考えられた。
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Research Products
(6 results)