2011 Fiscal Year Annual Research Report
光駆動型高エネルギー小胞および宿主細胞の創生による光からの有用物質生産技術の開発
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22760608
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
原 清敬 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環・重点研究部, 特命准教授 (40434378)
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Keywords | 光 / ATP / バイオプロセス / 大腸菌 / 好熱菌 / 反転膜 / ロドプシン / ATP合成酵素 |
Research Abstract |
平成22年度までに、デルタロドプシンと好熱菌ATP合成酵素を共発現させた大腸菌の反転膜を調製することで光駆動ATP再生小胞を調製し、光依存的なATP合成活性を測定することに成功し、実際に、この光駆動ATP再生小胞と、ATP駆動酵素としてグルコースからグルコース6リン酸を合成するヘキソキナーゼを共役させることで、光を用いてグルコース6リン酸を合成させることに成功した。平成23年度は「研究実施計画」【3】に則り、ATP駆動酵素として、社会的に付加価値の高いグルタチオンを合成し、学術的にも知見が豊富なグルタチオン合成酵素を用いることを目標とした。具体的には、工業的にグルタチオンの生産に用いられている酵母のグルタチオン合成酵素の利用を目指した。光駆動で光駆動ATP再生小胞とグルタチオン合成酵素を共役させたバイオプロセスを考えた場合には、グルタチオン合成酵素を精製することは、コスト増につながり、現実的ではない。そこで本研究では、菌体内のグルタチオン合成酵素により消費されたATPが、共役させた光駆動ATP再生小胞により再生されるよう、Saccharomyces cervisiaeに膜処理を施し、両者の間をATPおよびADPが自由に行き来できる開放系菌体触媒の開発を行った。具体的には膜処理条件を検討することで、ATPおよびADPの通過のみならず、生産されたグルタチオンも菌体外へ出るようにした。さらにはグルタチオン合成系の強化、グルタチオン分解系の破壊により、グルタチオン生産性を向上させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4年の研究期間のうち2年で光駆動ATP再生小胞の調製および実用的なATP駆動源である開放系菌体グルタチオン合成酵素の開発にも成功しており、残り2年でこれらの組み合わせにも目途がついたため。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの2年間では、前項目に示した光駆動ATP再生小胞および開放系菌体グルタチオン合成酵素を組み合わせることで、最終的に目指すプロセスの1つである光駆動グルタチオン生産プロセスの開発につなげられると考えている。
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Research Products
(2 results)