2011 Fiscal Year Annual Research Report
高度特異的タグシステムを利用したペプチド創薬手法の開発
Project/Area Number |
22760609
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
今中 洋行 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (10379711)
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Keywords | ペプチド / 固定化 / ポリスチレン / ELISA / スクリーニング / ランダムライブラリー / 相互作用 |
Research Abstract |
親水性ポリスチレン親和性ペプチド(PS-tag)連結各種標的タンパク質,T7ファージランダムペプチドライブラリーおよび親水性ポリスチレン(PS)プレートを用いて候補ペプチド薬剤のスクリーニングを行い,得られたペプチドの特異性を詳細に解析・評価した.まず,バイオパニング条件を複数設定し,標的タンパク質親和性ペプチドのスクリーニングを行った.そして,得られたファージクローンについてペプチドコーディング領域のDNAシーケンシングを行い,各種ターゲットタンパク質親和性ペプチドのアミノ酸配列を決定した.計195種類の配列について,それぞれのペプチドをPS-tagに連結する形で固相合成した後,各ペプチド(候補薬剤)を親水性PSマイクロプレート上に固定化し,相互作用および結合特異性を標的タンパク質に対する濃度依存性を指標として評価した.その結果,ランダムライブラリーの前処理がスクリーニング効率向上の重要な要素であることが強く示唆された.また,スクリーニングにより得られたペプチドのほとんど全てが標的タンパク質に対して高い親和性を示すことがわかった.さらに,デコイオリゴDNAとの競合実験により標的タンパク質への結合の部位特異性を有するペプチドを複数同定できた.得られた配列をもとにいくつかのモチーフ配列を推定し,コントロールペプチドとして合成後,同様に標的タンパク質との相互作用を調べたところ,それぞれ高い親和性を示した.これらの検討を通じてペプチド製剤のプロトタイプと成りえる機能性ペプチドの取得操作の好適条件を見出すとともに,本手法の今後の実用化の可能性を示した.
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