2011 Fiscal Year Annual Research Report
セルラーゼ・ヘミセルラーゼ超分子複合体の無細胞合成と試験管内再構成
Project/Area Number |
22760612
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平野 展孝 日本大学, 工学部, 准教授 (10409089)
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Keywords | セルロソーム / 無細胞蛋白質合成 / メタゲノム |
Research Abstract |
本研究では、結晶性固体セルロースに対して高い糖化活性を示す好熱性嫌気性細菌Clostridium thermocellum由来セルラーゼ・ヘミセルラーゼ超分子複合体(セルロソーム)を対象に、超分子セルロソームの試験管内再構成を試みるとともに、各種セルラーゼ・ヘミセルラーゼを任意の酵素組成で超分子セルロソーム上に提示出来るシステムの開発を目指した。平成23年度は、高分子量蛋白質の調製に適している無細胞蛋白質合成系を用いて、C.thermocellum由来セルロソーム構成因子12種類(CbhA,CelK,CelS,CelA,CelB,CelF,CelQ,CelR,CelT,CtheO821,XynA,Serpin)と全長骨格蛋白質(CipA)の無細胞合成を行い、これまでに報告例の無かった全長骨格から成る超分子セルロソームの試験管内再構成を行った。Native-PAGEによる複合体形成の確認後、結晶性固体セルロース(Avicel)を基質に酵素活性を測定した結果、構成因子:CipA-1:1/9~1:1/18(構成因子:酵素結合ドメイン-1:1~1:1/2)のモル比で複合体形成を行った際に、最もAvicel分解活性が上昇する結果が得られた。この結果から、糖質分解酵素が骨格蛋白質上に最も数多く提示されるときに、最も酵素活性が上昇することが示された。また、Avicel分解活性が最も上昇する構成比の複合体(構成因子:CipA=1:1/15)を用いて酵素活性を測定した結果、可溶性セルロース(CMC)分解活性に対しては、複合体形成の寄与はほとんど認められなかったが、Avicel分解活性に対しては、複合体形成によって約11倍程度の上昇が見られた。この結果から、骨格蛋白質中の酵素結合ドメインの個数が多くなる程、固体セルロースに対する分解活性が上昇することが示された。
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