2010 Fiscal Year Annual Research Report
液晶性微小カプセルを利用した生体高分子デリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
22760613
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
黒岩 崇 東京都市大学, 工学部, 准教授 (60425551)
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Keywords | ドラッグデリバリー / マイクロカプセル / 生体高分子 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロバイオプロセス |
Research Abstract |
核酸系・タンパク質系の生体高分子薬剤のドラッグデリバリーに適したキャリアー素材の開発が強く望まれている。本研究では、生体高分子のキャリアーとして利用できる液晶性微小カプセルの作製技術を開発し、生体高分子薬剤のドラッグデリバリーシステムの突破口の開拓を目指す。液晶性を有する生体分子を利用して自己組織化的に形成される液晶性微小カプセルは、生体膜に類似した構造を持ち、優れた生体親和性を発揮すると期待される。本年度の検討では、マイクロ流体デバイスを活用したwater-in-oil-in-water(W/O/W)型多相エマルションをテンプレートとした液晶性微小カプセルの作製技術開発を行った。年度当初は実験設備の立ち上げを行うとともに、シリコン基板上に微細加工された微小流路を活用した液滴作製技術である「マイクロチャネル乳化法」により、W/O/Wエマルションの作製を検討した。カプセル作製に適した生体由来の液晶性分子および乳化剤の選定を行い、W/O/Wエマルションを作製できた。さらに、これをテンプレートとした液晶性微小カプセルの作製方法を検討した結果、室温、大気圧下という穏やかな条件下で多相エマルション中の有機溶媒を除去するプロセスにより、水溶性分子を封入した微小カプセルを作製することに成功した。カプセルの作製条件を種々検討することにより、水溶性蛍光色素であるカルセインを83%の高い内包率(既存のキャリアー作製法では数%程度)でカプセル内に封入することができ、本年度の目標値であった80%の内包率を達成することができた。
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