2012 Fiscal Year Annual Research Report
液晶性微小カプセルを利用した生体高分子デリバリーシステムの開発
Project/Area Number |
22760613
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Research Institution | 東京都市大学 |
Principal Investigator |
黒岩 崇 東京都市大学, 工学部, 准教授 (60425551)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ドラッグデリバリー / マイクロカプセル / 生体高分子 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロバイオプロセス |
Research Abstract |
前年度までに明らかにした液晶性微小カプセルの形成挙動および物質内包特性に基づき、医薬および食品分野で利用可能な乳化剤を利用して生体高分子を効率的にカプセルに内包化するための操作条件を明らかにすることを目的として検討を行った。まず、カプセル作製に最適な乳化剤の選定指針を得ることを目指して、外水相に添加する乳化剤による内包物漏洩抑制効果に注目し、親水性蛍光色素であるカルセインを内包物質として、微小カプセルの作製過程でカルセインが漏出する過程およびそのメカニズムについて調べた。液晶性微小カプセルのテンプレートになるwater-in-oil-in-water型多相エマルションの油相中に可溶化された水分量およびカルセイン量を測定した結果、油相中の逆ミセルにより内包物質が外部水相に輸送されることで漏出が起きている可能性が示された。逆ミセルを介した油相-水相界面での物質輸送を抑制するような性質をもつ乳化剤が高い漏出抑制効果を有することを示唆しており、界面への吸着能力が高くかつ高分子量の乳化剤の利用が有効であった実験結果の機構的背景につながる有意義な知見が得られた。この成果により、本法において効果的な乳化剤の選定指針を得ることができた。さらに、生体高分子の内包化への本法の適用可能性を検証するため、微小カプセルへのデキストランの内包化を試みた。これまでの検討結果から特に内包率向上効果が高いと考えられたカゼインナトリウムおよびポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールを乳化剤として用い、平均分子量4,000および40,000のデキストランの内包化を試みた結果、いずれの場合も内包分子に甚大な損傷を与えることなく、80%以上の内包効率を達成することができた。以上、本年度の検討により生体高分子の内包化を達成する技術的基盤となる知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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