2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識により内包物質の徐放を行う蛋白質マイクロ粒子の構築
Project/Area Number |
22760615
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
山崎 智彦 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者 (50419264)
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Keywords | ハイドロフォビン / マイクロ粒子 / 徐放制御 / ソルターゼ / 分子認識ペプチド / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究は、両親媒性蛋白質を用いて蛋白質外殻を持つ粒子を作成し、分子認識能を有する結合蛋白質を酵素反応により表面修飾させることにより、標的分子の認識がトリガーとなり内包薬剤等を徐放するマイクロ粒子の構築を目的としている。糸状菌由来の両親媒性蛋白質であるハイドロフォビン(HFB)を外殻の構成物質とする数十~数百nmの粒子を作成する。粒子表面に露出するHFBのN末端もしくはC末端にソルターゼを用いた酵素反応で結合蛋白質を修飾することで、マイクロ粒子表面に分子認識能を付加する。結合蛋白質が標的分子を認識し結合した際に生じる蛋白質の構造変化によりマイクロ粒子の構造に歪みを生じさせ、粒子内部の薬剤分子の徐放制御機能を持たせる。本研究により、標的分子認識による内包薬剤の徐放制御が可能となり、体内の疾患マーカー物質の有無や濃度を判断し疾患マーカー物質が多く存在する疾患部位において薬剤を放出する薬剤治療技術など医学・薬学などの分野において応用可能な基盤技術となる。 前年度は、マイクロ粒子の構築のためのHFBならびにソルターゼの生産技術を確立した。本年度は、計画に従い、「結合蛋白質を表面に導入したHFBマイクロ粒子の分子認識による薬剤徐放」の研究を進めた。ルターゼを用いて蛋白質同士を結合する条件を2つのドメインに分けたルシフェラーゼを用いて決定した。ルシフェラーゼを2つのドメイン分断しそれぞれのC末端、N末端にソルターゼ認識配列を導入した分割ルシフェラーゼドメインにソルターゼを加えることでルシフェラーゼの再構築ができることを示した。この反応条件をハイドロフォビン粒子表面に結合蛋白質を表面に導入に応用したところ、ハイドロフォビン粒子のC末端に結合蛋白質を導入することができた。また、作成したマイクロ粒子の体内への導入方法を検討し、ハイドロフォビン粒子表面に導入する新規分子認識ペプドを複数得ることができた。
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