2010 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界CO2冷媒を利用した航空エンジン用再生器・中間冷却器の研究
Project/Area Number |
22760622
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 優 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (10323817)
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Keywords | 航空宇宙工学 / ジェットエンジン / CO_2排出量低減 / 中間冷却器・再生器 / 超臨界CO_2冷媒 / 低燃費 / 高出力化 / 経済性 |
Research Abstract |
本研究「超臨界CO2冷媒を利用した航空エンジン用再生器・中間冷却器の研究」は、出力密度の関係でガスタービン以外に代替が見込めない航空エンジンのCO_2排出量削減に寄与するため、産業用では一般的だが重量増を非常に嫌う航空エンジンでは導入されていない、サイクル効率を向上する再生(熱交換)器・中間冷却(熱交換)器の実現を目的とする。本研究は、小型軽量化のため、熱伝導率の高い超臨界CO_2冷媒を利用するという独創的な発想に基づき、経済性にも優れた超小型軽量再生器・中間冷却器の開発を目論む革新的・挑戦的な研究である。 本年度は、最新の低燃費エンジンGE-nxに本システムを導入し、最新の低燃費機体であるBoeing 787-8に搭載した場合を想定しサイクル計算を行った。本計算では中間冷却器として用いる圧縮機静翼の内部を流動させる超臨界CO_2と、翼周囲の高速空気流の熱伝達性能の評価を、超臨界CO_2-翼間は円管中層流熱伝達、翼-高速空気間は平板上乱流熱伝達を仮定して行った。しかし、翼形状は平板ではないため見積精度向上のため実験が必要である。そこで、圧縮機静翼と形状が似ているNASA Stator37(二重円弧翼、弦長28mm、翼幅28mm)を選定し、超臨界CO_2で加熱・冷却し、これを3枚並べ翼列形状を模擬し、サイクル計算より求められた条件の高速空気流と超臨界CO_2との熱伝達性能を実験的に評価する。必要な空気源としてルーツブロア(吐出圧180kPa、吐出体積流量15.9m^3/分)、超臨界CO_2製造用ピストンポンプ(最高吐出圧40MPa、吐出体積流量20cm^3/分)、超臨界CO_2循環用マグネットカップリング式ポンプ(ライン圧35MPa、吐出圧500kPa、体積流量5L/分)を選定した。そして、高亜音速風洞、翼型、可視化テストセクション、超臨界CO_2循環流路、及び、同加熱・冷却部の設計を行った。
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Research Products
(1 results)