2010 Fiscal Year Annual Research Report
次世代宇宙ゴサマー構造のための設計探査法に関する研究
Project/Area Number |
22760623
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 啓 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40516001)
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Keywords | 宇宙構造物 / 宇宙工学 / 設計工学 / 設計支援 / 不確定性 |
Research Abstract |
本研究は,地上試験が困難な宇宙ゴサマー構造物の設計評価を数値解析によって支援する方法論の構築と具体的なツールを開発することを目的としている.初年度である本年度は,2種類の宇宙ゴサマー構造について数値解析による設計支援の基礎的な研究を行った. 第一に,ソーラーセイルの展開時におけるセイル構造の動力学と,衛星バス部の姿勢制御との連成を数値解析によって評価し,実機に適用可能な姿勢制御則を提案した.ここでは特に不確定性の高い構造パラメータ(膜の圧縮剛性と減衰率)についてパラメトリック解析を行い,提案した制御則のロバスト性を評価した.しかし20m級の膜の動的展開という未知の現象に対してモデル化しきれていない要素があり,地上実験の必要性を明確にした.数値解析による設計支援の可能性を示せた一方で,どのような地上実験を行えば,より信頼性の高い数値解析が実行可能になるのかという課題を翌年以降に残した. 第二に,ASTRO-Gのアンテナ鏡面を模擬し,ケーブルと柔軟梁からなる部分・スケール実験モデルを実験室に設置した.この実験モデルの形状計測を行い,本構造様式に存在する不確定性を,数値モデル(有限要素モデル)のパラメータの分布として定量化する手法を開発した.構造解析にはあまり使用されていない統計学手法(ブートストラップ法)を導入し,適用性を評価した.実験方法を確立したことが大きな成果である一方,推定したパラメータ分布の妥当性の評価,およびその情報の設計への反映方法について課題を残した。 以上により,「研究実施計画」に記した全7ステップのうちの最初の3ステップを本年度は実施し,翌年以降に行う研究への課題を明確化した.
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Research Products
(4 results)