2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代宇宙ゴサマー構造のための設計探査法に関する研究
Project/Area Number |
22760623
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 啓 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40516001)
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Keywords | 宇宙構造物 / 構造解析 / 有限要素法 / 設計支援 |
Research Abstract |
主に膜やケーブルなどの張力部材から構成される宇宙ゴサマー構造物は,軌道上での正確な形状と動特性を,地上試験から予測することが難しく,高精度な構造を実現するためには数値解析による補償が欠かせない.しかし解析に用いる基本的なパラメータは,やはり実験的に同定する必要があり,部分・スケールモデルを用いたとしても,重力・大気の影響や構造特性の非線形性の影響から,実験結果に誤差が含まれることは避けられない.本研究ではそのようなパラメータに含まれる不確定性も考慮した解析を行って,宇宙ゴサマー構造の設計空間を可視化し,設計の意思決定を支援する設計探査ツールの実現に向けた検討を行う. 上記目的を達成するため,本年度は宇宙ゴサマー構造において直接計測することができないパラメータを,構造の形状計測から同定する手法を開発した.具体的には,(1) 宇宙ゴサマー構造の地上実験モデルの形状計測を実施し,(2) 幾何学的非線形構造数値モデルを作成して,(3)数値モデルのパラメータを最適化手法によって同定した.本手法により,提案する数値解析をベースとした設計支援ツールの一部が実現できるようになった. さらにガタ等の非線形な特性を持つ不確定要素をモデル化する手法について実験と解析の両方から検討を行った. これまでの研究成果に関連した発表を国内会議および国際会議で行い,参加者からフィードバックを得ることで今後の研究の指針を得た.今後はより現実的な,複雑な宇宙ゴサマー構造のモデル化を行うとともに,それを用いた設計支援ツールの整備を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
宇宙ゴサマー構造の地上実験特有の課題に対応した数値解析手法の研究は他にほとんど例がなく,本研究によって独自性のある成果を出すことができた.ただ,動特性の解析については実験手法の試行錯誤を続けており,まだ独自性のある成果を出せるには至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
宇宙科学研究所の研究者たちとできるだけ議論を行える機会を作り,現在作成中の設計支援ツールに対するフィードバックを逐次得たい.
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Research Products
(4 results)