2010 Fiscal Year Annual Research Report
高周波放電を利用した電子源の性能向上とイオン推進機適用に関する研究
Project/Area Number |
22760625
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
青柳 潤一郎 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (10453036)
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Keywords | 高周波放電プラズマ / イオン推進機 / 電子源 / 中和器 |
Research Abstract |
試作モデルを使った各種パラメータ評価の結果から、実験室モデルの高周波放電式電子源を設計、製作した。この実験室モデルは放電室内部に設置するイオンコレクタの形状や電子放出口であるオリフィスが変更可能である。各パラメータが電子放出能力に与える影響を評価した結果、点火および電子放出性能に与える影響を次のように明らかにした。 1)放電室中性粒子密度とイオンコレクタが形成する電界形状が点火性能に大きな影響を与える。 2)イオンコレクタのイオン捕集面積が大きいほど、大電流の電子放出が可能である。 3)イオンコレクタは点火性能が低い場合でも電子放出性能が高い場合がある。 4)オリフィス直径は電子放出が最大となる最適点が存在する。 また、静電プローブによる放電室内部プラズマの診断を行った結果、 5)電子放出が大きく変化する際の浮動電位に大きな変化がある。 ことを確認した。これらの結果は性能向上に向けた電子源の改修の指針として活用できる。 次に、より詳細に静電プローブによる放電室内部プラズマの診断を行い、次の結果を明らかにした。 6)電子放出能力はイオンコレクタが捕集するイオン電流に依存している。 7)電子数密度は高周波電力に比例するが、電子温度は3eV付近で飽和する傾向にある。 8)電子放出能力の向上には、電子数密度を上昇させることが有効である。 以上から、より詳細に電子源の性能向上に関する指針を得ることができた。また、イオン捕集モデルを考慮する際のイオンシースモデルについては、さらに複雑なモデルを取り入れる必要があるなどの検討課題も明らかとなった。
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