2011 Fiscal Year Annual Research Report
高周波放電を利用した電子源の性能向上とイオン推進機適用に関する研究
Project/Area Number |
22760625
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
青柳 潤一郎 首都大学東京, システムデザイン研究科, 助教 (10453036)
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Keywords | 高周波放電プラズマ / イオン推進機 / 電子源 / 中和器 |
Research Abstract |
昨年度の研究までに設計、製作した高周波放電式電子源の実験室モデルを使った動作試験の結果から、電子源の改修、再評価を行った。さらに性能向上を目的に二種類の高周波放電式電子源の設計、製作を行った。この二種類の電子源はそれぞれ次に示すようにイオン推進機への適用を目的としている: ・直流放電式イオン推進機の主放電プラズマ生成用:比較的大電流が必要なため、イオンコレクタ面積を比較的大きく設計した。 ・高周波放電式イオン推進機の中和器用:比較的小電流が必要なため、イオンコレクタ面積は比較的小さく、これまでより小型化の設計となった。 新たに作成した中和器用電子源の単体動作試験を行った結果、以前の実験室モデルと比較して、小型でありながら同等の電子放出能力を達成するための電力を半分に抑えられることを確認した。これは本研究の当初の目的である「投入電力の抑制」に対応する成果であり、本研究成果で得られた電子源設計指針の妥当性が示せた。 次に、直流放電式イオン推進機への適用試験のために、従来のホローカソードを電子源とする基本性能取得を行った。その結果、イオン抽出・加速電極グリッドが消耗していたため、今後の性能比較にとって十分な性能が取得できなかった。そのため、新規にグリッド電極の製作に着手した。プラズマ密度や電子温度を測定し、それに基づいたイオンビーム軌道解析結果から、グリッド電極の設計を行った。 また、高周波放電式イオン推進機の中和器プラズマ生成用電子源としての動作試験は、予備試験段階でイオンビーム量と中和器電子放出量の収支が合わなかったこと、および主放電プラズマが不安定となる点が確認されたことから、その原因究明に詳細な検討が必要であることが明らかとなった。
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