2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマアクチュエータによる低迎角時の超小型飛行機空力性能向上に関する研究
Project/Area Number |
22760626
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
手塚 亜聖 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50361506)
|
Keywords | 航空宇宙流体 / 非圧縮流 / 数値流体力学 |
Research Abstract |
超小型無人飛行機に相当するレイノルズ数では、低迎角にて厚翼の揚力係数がほぼゼロになる現象が見られる。この理由として層流剥離した流れが安定化して振動しないため、流れの再付着が起きないことが指摘されている。本研究では理論的手法と実験的手法によるアプローチでこの現象の解明と改善をめざしている。層流剥離した流れの安定性を調べる目的で、流れの数値計算で得られた振動流の各位相に対し、加えた撹乱が最も増幅するモードを、流れの全体安定解析法を用いて計算した。レイノルズ数や迎角の条件を変えた計算を行い、層流剥離した領域にて撹乱が増幅するモードの時間増幅率が正となる条件では、層流剥離した流れが不安定化し流れが振動する結果を得た。この結果は、この領域に特定のストローハル数の擾乱を人工的に加えることで、空力特性に何らかの変化が生じることを示唆していると思われる。次に、層流剥離領域に流れを誘起させることで空力特性を改善する目的で、翼型後縁にプラズマアクチュエータを設置して風洞実験を行った。測定部250mm×150mmの小型吸込み式風洞に翼幅150mmのNACA0012翼型を設置した。レイノルズ数約50,000の条件にて揚力係数計測を行い、低迎角にて揚力曲線がほぼゼロとなることを確認した。その後に、プラズマアクチュエータの電極間に6kVpp、20kHzの正弦波を印加して実験を行った。翼型後流の速度分布を計測したところ、電圧を印加することにより、負圧面側の流速が増加し、正圧面側の流速が減少する結果が得られた。また、圧力係数測定を行った結果、正負圧面間の圧力差が増加し揚力特性の改善が見られた。
|