2011 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマアクチュエータによる低迎角時の超小型飛行機空力性能向上に関する研究
Project/Area Number |
22760626
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
手塚 亜聖 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (50361506)
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Keywords | プラズマアクチュエータ / 低レイノルズ数流れ / バースト周波数 / 翼型 / 層流剥離 / 流れの安定性 / 空気力学 |
Research Abstract |
低レイノルズ数で低迎角の厚翼周り流れでは、翼型後縁付近で層流剥離したまま再付着せず、揚力係数がほぼゼロとなる現象が見られる。迎角の増加と共に層流剥離領域が不安定化し、振動を始めるようになると流れが再付着して揚力係数が急増する。先行研究によるこのような理論的説明を背景に考えると、翼型後縁付近にプラズマアクチュエータを設置して駆動し、人工的に攪乱を加え振動流を誘起することで、流れを人工的に再付着させ揚力係数を増加させることが期待される。このような考え方が成り立つならば、プラズマアクチュエータのバースト周波数としては、流れが不安定化して揚力係数が急増する迎角で測定される周波数を設定することが効果的と予想される。 このような予想を実験的に確かめる目的で本研究では、はじめに、翼面近傍層流剥離領域及び後流で見られる振動流の周波数測定を行った。引き続き、その周波数帯を中心とした範囲でバースト周波数を設定し、プラズマアクチュエータ駆動時の圧力分布計測実験を行った。 揚力傾斜が大きく迎角により揚力孫数が変化する、臨界領域付近の迎角では、剥離領域及び後流で見られる振動流と同程度のバースト周波数でプラズマアクチュエータを駆動することで、定常的に駆動する場合と同様に揚力係数の改善が見られた。一方、揚力孫数が負で極値となる迎角付近では、プラズマアクチュエータを定常的に駆動する方が揚力係数の改善が大きく、バースト周波数の設定ではほとんど揚力係数の改善は見られなかった。 流れが不安定化する臨界領域の迎角では、プラズマアクチュエータで与えた攪乱がほとんど減衰しないため、振動流れへと変化させることが可能と考えられる。一方、流れが安定している迎角の領域では擾乱を与えてもその擾乱が減衰し、流れを変化させることほ難しいことが考察される。
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