2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノオーダー精度を有する大型軽量熱安定CFRP製鏡の開発
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22760627
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
小柳 潤 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (60386604)
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Keywords | CFRP / ミラー |
Research Abstract |
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の軽量鏡の開発を研究の目的とする.この鏡面精度の持続性の確保のために重要な大きな課題の一つは,CFRP自体のマイクロオーダー以下の経時変形を追うことである.本年度はこのことを中心に研究した.CFRPの経時変形は,主に3種類に分類される.力学的因子による粘弾性変形,化学的因子である自己収縮,外的因子である吸湿・脱水変形である.重力や機械的ファスナ・もしくは内部残留応力により応力が発生した場合,粘弾性理論に基づきCFRPは変形する.クリープ試験,粘弾性試験,動的機械試験を行い,温度時間換算則に基づいて,これを定量的に調査した.化学的因子と考えられる自己収縮は,高分子材料の場合「フィジカルエージング」と呼ばれ,広く知れ渡っている.本研究ではこれを定量的に調査した.フィジカルエージングによる収縮に対しても温度時間換算則が成り立つことが明らかとなった.しかし,温度が高ければフィジカルエージングの熱力学的平衡状態に達するまでが近く,収縮が顕著に表れないこともわかった.吸湿変形・脱水変形は,吸水試験感想試験により求め,一般的なFick拡散によって整理できることを確認した.これらの3種類の変形の収支を考えることにより,CFRPのマイクロオーダー以下の経時変形を正確に予測できるようになった.今年度ではこれらを踏まえ,超軽量CFRP鏡を製作した.来年度はこの鏡の各環境に対する鏡面精度の持続性の検討を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CFRP自体の経時変形を定量的に予測できるようになったため,変形しないCFRP鏡という観点での設計・製作が可能となった.計画通りに研究が進んでいると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
様々な環境を経験したCFRP鏡の鏡面精度を評価する.CFRP鏡としての性能の限界を見極める.
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