2011 Fiscal Year Annual Research Report
ホットワイヤ・レーザ溶接技術による船舶用超高張力鋼板溶接技術の開発
Project/Area Number |
22760637
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山本 元道 広島大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (30274111)
|
Keywords | 造船 / 溶接 / レーザ / ホットワイヤ |
Research Abstract |
本研究では,大型船舶建造時の極厚高靭性高張力鋼板立向き高能率溶接施工に対応するべく,ホットワイヤシステムとリモートスキャナヘッドを用いた革新的なレーザ溶接法の検討を行った.以下に得られた成果の概要を示す. (1)ホットワイヤシステムを用いて適切なワイヤ加熱・送給条件を選定することで,極厚鋼板高能率施工に十分対応できる溶着金属形成実現の目処を得た.本ホットワイヤシステムでは,ワイヤ寸法,形状,種類によらず,母材材質あるいは要求継手性能に対応した添加ワイヤの選択が可能になる. (2)2次元あるいは3次元リモートスキャナヘッドを用いることで,これまでのレーザ溶接では不可能であった開先裕度を実現できる目処を得た.本技術を用いることで,溶接施工中の開先幅変動などにも対応できると考えられる. (3)ホットワイヤシステムとリモートスキャナヘッドを用いたレーザ溶接プロセスでは,反射レーザ光を活用することで,母材希釈の非常に少ない,極低入熱の溶接継手が実現できることが明らかになった.ボンド部の結晶粒寸法および熱影響部幅は,他の溶接法に比べて非常に小さくできる可能性が大きいことが分かった. (4)ホットワイヤシステムとリモートスキャナヘッドを用いたレーザ溶接プロセスでは,母材希釈が非常に少なく,任意の添加ワイヤを選択できるため,要求される特性に適切に対応できる高品質な溶接継手を作製できる可能性が示唆された.
|