2011 Fiscal Year Annual Research Report
画像計測を利用した船体大型ブロック溶接組立時における変形予測システムの開発
Project/Area Number |
22760640
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
柴原 正和 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (20350754)
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Keywords | 画像計測 / 大規模解析 / 溶接組立 / 船体大型ブロック / 変形予測 / 陽解法FEM |
Research Abstract |
本年度は、以下の(1)~(3)に示す3つの主要な研究項目を遂行した。 (1)NNを利用した任意条件における溶接固有変形算出システムの構築 船体ブロックを構成するすべての種類および溶接条件の溶接継手についてデータベース化するのは事実上不可能であるので、上記システムにより得られた離散的なデータを基に、任意の形状・溶接法および溶接条件の溶接継手における溶接固有変形量を算出することができるシステムをニューラルネットワークを用いて構築した。 (2)界面要素を用いた組立工程を考慮可能なFEM解析プログラムの整備 溶接固有変形主要4成分を溶接部近傍の要素に付与し、溶接固有変形に基づく弾性非線形FEM解析を実施することにより純粋な熱変形のみによる溶接変形を予測することが可能となる。しかし、溶接変形を形成するのは熱変形のみならず、位置決めの際に発生するギャップや目違い等の組立工程上発生する変形も無視することはできない。そこで、それらの影響についても検討できるようにするため、申請者らにより開発された界面要素を用いた組立工程を考慮可能なFEM解析手法を上記の溶接固有変形に基づく弾性非線形FEM解析に導入した。 (3)溶接固有変形に基づく弾性非線形FEM解析の高速化・省メモリー化のための理想化陽解法FEMの導入 溶接固有変形に基づく弾性非線形FEM解析を用いて、船体大型ブロック同士を接合する際の溶接変形を解析する場合においては、解析自由度数が数千万を超えるような場合も想定され、市販されているPCではメモリーの制約上、また、解析時間の都合上の両面から解析が不可能になる場合が想定される。そこで、この問題を解決するために、本研究では、2009年に申請者らが開発した理想化陽解法FEMを導入した。この手法は、動的陽解法FEM解析時における質量マトリックスおよび減衰マトリックスを理想化することで、静的解析に対する適用性を追求した手法であり、既往の溶接変形解析においてよく用いられる静的陰解法FEMと比較して、計算時間および使用メモリーを大幅に短縮可能な、実用性の高い手法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
大規模解析事例として、船体ブロックのみならず、建機や原子力容器、空調機器のコンプレッサーなど、広範囲に亘る解析事例について、提案手法を適用しており、研究計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで、順調に研究を進められている。 さらに、適用範囲を広げ、汎用性の高い解析システムの構築を目指す。
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