2011 Fiscal Year Annual Research Report
水中音響映像装置小型化のためのフレキシブル音響レンズの開発
Project/Area Number |
22760641
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
土屋 健伸 神奈川大学, 工学部, 准教授 (50291745)
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Keywords | 平面音響レンズ / フォノニッククリスタル / 水中映像取得 / 負の屈折率 / 弾性FDTD法 |
Research Abstract |
本研究の目的は水中映像取得装置に使用される音響レンズの形状を平面や任意形状にできる設計手法を確立し,試作レンズを作成することである.海洋中で使用される従来の水中映像取得装置用音響レンズは凹面形状がほとんどであるが,その形状を装置に合わせた任意な形状に変えることでフレキシブルなデバイスとする.そして,従来大型である音響カメラ装置の小型化・軽量化を目指す.微細構造を可能とするためにフォノニック結晶構造を用いたレンズを開発・製作する. 研究の最初の目的として平面型音響レンズを作成するためにフォノニック結晶構造を用いることで負の屈折率を持つ平板を波動的数値解析手法である弾性FDTD法(時間領域差分法)を用いて設計した.フォノニック結晶構造とは周期的に屈折率が変換する構造を人工的に製作することで,特異な波動現象を引き起すことができる構造体である.レンズ応用として通常の物質ではありあえない負の屈折率分布を有するフォノニック構造体を構築した.その構造体を用いてレンズを設計した.設計した平面型音響レンズは実寸サイズの約1/7で周波数約750kHzにて焦点を形成する.逆に周波数が900kHz以上,500KHz未満では焦点を形成しないため,非常に狭帯域なレンズではあるが平面形状にすることを可能とした優れたレンズである.ただし,任意形状レンズの設計も同時に行ったが現時点では所望の性能が得られていない. フォノニック結晶構造による負の屈折効果を確認するため,プロトタイプとしてスケールサイズを変えた平面音響レンズの実機を2個製作した.水中での音場を観測したところ,数値解析の結果と一致することを確認した.今後は,任意形状の音響レンズの設計法を確立すると共に,実寸大レンズを製作して,その性能を確認する予定である.
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Research Products
(10 results)