2010 Fiscal Year Annual Research Report
低炭素社会実現に向けた機能性微細藻類による非食バイオ燃料生産と培養精製技術の開発
Project/Area Number |
22760647
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大田 昌樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50455804)
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Keywords | 微細藻類 / 超臨界抽出 / 光合成 / 分泌代謝物 / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
低炭素社会実現に向けて微細藻類の機能性やポテンシャルに高い関心が集まっている.申請者は,これまで優れた生産能や生体機能を有するが用途開発に課題があった緑藻Chlorococcumlittoraleを用いて,現行の種子原料に匹敵する水準の脂質含有率(~35wt%)の制御に成功するとともに高効率のバイオ燃料生産の可能性を見出している.本申請では,残された未解決課題のうち,まずN源制限下で著しく低下する生産速度を克服するための脱カルビン回路依存型ハイブリッド高速培養法を新たに構築し,これにより微細藻類最高水準の高含有率化(~70wt%)を目指す,さらに,分離精製工程で問題となる夾雑カロテノイドを超臨界抽出により単段で効率的に分離する手法を構築する. 平成22年度は,老朽化した培養システムのリニューアルを実施し,LED支援通気振盪培養システムを新たに構築した.また,無機・有機炭素源を併用したハイブリッド高速培養技術の構築において紅藻Porphyridium purpureumという多糖を細胞外に分泌する株を育種し,細胞外分泌多糖の効率的な生産条件を把握した.グルコースを有機炭素源とした通気培養実験を実施したところ,通気酸素濃度によって炭素の変換効率が著しく変化し,次年度以降この影響を十分に調査する必要があることが判明した.また,来年度以降は,脂肪酸β酸化や光呼吸を内因的に抑制した理想的な炭素同化系の構築を目指し,これまでの基礎実験を一連のプロセスへと展開する必要があると考える.特に,有機炭素源と無機炭素源の影響に与える通気酸素濃度の影響が甚大であったためこの影響に着目して生産促進効果を定量評価することを予定している.
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