2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波化学作用を用いたカナダ産オイルサンドからのビチューメン高効率回収方法の開発
Project/Area Number |
22760648
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大川 浩一 秋田大学, 工学資源学研究科, 助教 (00375221)
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Keywords | オイルサンド / ビチューメン / 分離 / 超音波 |
Research Abstract |
オイルサンドから超重質油・ビチューメンを高効率回収することを目的として研究を行っている。溶液中のオイルサンドへ照射する超音波の条件を制御し、音響物理作用および化学作用を選択的に使用することで、ビチューメン分離の促進が見られるか、また、それら作用が分離にどのように作用するか検討を行った。カナダ産オイルサンド2.97gと水酸化ナトリウム0.03gを60mlのイオン交換水に入れ、懸濁液を作成した後、そのフラスコ下面から超音波を照射した。照射中、アルゴンガスをフラスコ内に導入した(100ml/min)。超音波は化学作用(ラジカル生成)が強い200kHzと物理作用(剥離、撹拌作用)が強い28kHzの2種類の周波数を選んだ(出力200W)。溶液の温度は、45もしくは85℃で行った。その結果、低温である45℃では、28kHzのみビチューメンが回収できた(約10%)。比較的温度が高い85℃では、ビチューメンの粘度が下がるため、28kHzと200kHzの回収量が近い値となった(30-40%)。このことから、超音波化学作用は、ビチューメンの分離に大きく寄与しないことがわかった。また、85℃の結果から、200kHzの超音波照射は物理作用が弱いが、照射により生成する微細気泡数が28kHzより多いため、同等な分離量になったと考えられる。本研究結果により、熱水中でオイルサンドからビチューメンの分離を行う際に、超音波を照射すると分離時間の短縮や添加薬剤の削減が期待できることが明らかになった。さらに高温における分離は、数十kHzの超音波だけでなく、数百kHzの超音波も有効であることがわかった。
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Research Products
(6 results)