2011 Fiscal Year Annual Research Report
超音波化学作用を用いたカナダ産オイルサンドからのビチューメン高効率回収方法の開発
Project/Area Number |
22760648
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大川 浩一 秋田大学, 工学資源学研究科, 助教 (00375221)
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Keywords | オイルサンド / ビチューメン / 超音波 / 分離 |
Research Abstract |
オイルサンドから超重質油・ビチューメンを分離回収することを目的として研究を行った。カナダ産オイルサンド(2.97g)を水溶液(60ml、水酸化ナトリウム0.03g)に入れ、高周波数(200kHz)または低周波数(28kHz)の超音波を15分照射し、水溶液表面に浮遊したビチューメンの回収率と純度を測定した。その結果、それら値に大きな影響を及ぼす要因は溶液温度と溶液内で生成する微細気泡量であることが明らかになった。そこで、溶液内の微細気泡量を増加させることで、ビチューメンのオイルサンドからの分離量を増加させることを検討した。超音波照射する溶液(85℃)に過酸化水素を添加した。超音波と過酸化水素添加を組み合わせた場合、ビチューメンの分離回収量は、周波数に関わりなく、100ppmで約60%1000ppmで約80%であった。過酸化水素無添加の場合の回収率(30-40%)と比較して大幅な改善が見られた。比較実験としてスターラーによる撹枠を行ったが、過酸化水素の添加を行っても分離量の増加は見られなかった。これは、過酸化水素を添加することで、それがオイルサンド表面で反応し、酸素の微細気泡(1mm)として付着し、その泡が超音波照射によって崩壊することで剥離が促進したと考えている。また、微細気泡がビチューメンに付着することで、比重が小さくなっており、オイルサンドから剥離されたビチューメンは浮遊しやすく、その結果、分離回収の促進につながったと考えている。高周波数超音波を溶液に照射すると化学反応により過酸化水素が数十ppm生成したが、今回添加した量と比較するとその値は非常に小さいことから分離効果が十分に見られなかったと考えられる。超音波で分離したビチューメンの粘度は測定温度35℃において、撹搾で分離したビチューメンの約半分の値を示した。このことから超音波照射による軽質化の可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)