2012 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物由来層状複水酸化物による有機化合物の吸着と排水処理への適用
Project/Area Number |
22760653
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
村山 憲弘 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (90340653)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 層状複水酸化物 / 陰イオン交換 / リサイクル / 有機物吸着 / 再資源化 |
Research Abstract |
アルミ再生工程で生じる廃棄物(アルミドロス)を用いたハイドロタルサイト様化合物(HT)の用途開発を念頭に置いて、試薬あるいは廃棄物由来HTの陰イオン性有機化合物に対する吸着特性を明らかにすること、HTを用いた微量有機物に対する排水処理プロセスを構築することを目指した研究である。今年度は、陰イオン性界面活性剤であるドデシル硫酸イオン(DS-)、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン(DBS-)、オクタンスルホン酸イオン(OS-)の吸着挙動を調べた。LDHの層間距離や接触角などの物性におよぼす界面活性剤のサイズや吸着量の影響を検討した。界面活性剤を吸着したLDHを水溶液中の有機化合物の吸着剤として利用するために、6種類の化合物(ベンゼン、トルエン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、p-ジクロロベンゼン、ビスフェノールA)の吸着特性を調べた。展開例として、鉄鋼スラグを原料に適用するための基礎的検討も行った。 LDHによるDS-、DBS-およびOS-の吸着等温線はLangmuir型であった。単分子層飽和吸着量はDBS->DS->OS-の順に大きくなり、DBS-の飽和吸着量はLDHの陰イオン交換容量(341meq/100g)とほぼ等しい。吸着平衡定数はDS->DBS->OS-の順に大きい。LDH層間での界面活性剤は、低い吸着量ではLDHの基底面に対して水平に配向するのに対し、吸着量が増加すると垂直に近い配向になった。このような配向性の変化が起こる吸着量の領域は界面活性剤の種類によって異なることがわかった。DS-により修飾したLDHによる有機化合物の吸着等温線はHenry型を示した。吸着等温線の直線勾配KHは、有機化合物の疎水性の程度を示すオクタノール/水分配係数logPO/Wと対応することが明らかになった。廃棄物由来HTを有害有機化合物の除去材として適用できる可能性が見出された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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