2011 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルミリ波干渉計の開発による密度分布測定の高精細化の研究
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22760658
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
近木 祐一郎 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (10398109)
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Keywords | NRDガイドアンテナ / 干渉計 / 電子密度分布計測 |
Research Abstract |
デジタルミリ波干渉計は、NRDガイドアンテナの放射方向が周波数により変化する特性を利用して、プラズマ電子密度の空間スキャンを行い、原理的に高精度に電子密度分布を計測できる装置である。昨年度本装置の最重要部品であるNRDガイドアンテナを製作し、今年度GAMMA10に実装し電子密度分布計測の実証実験を行う予定であったが、NRDガイドアンテナの放射効率がシミュレーション結果と比較して著しく悪く実用的でないことが判明した。そこで、まず使用した誘電体材料の特性が不適当であることを疑い、その結果NRDガイドに利用している誘電体ロッドと導波管がマッチングせず、入力した電力がほぼアンテナに入力しないで反射しているのではないかと考えた。実際、より誘電率の低い材料を用いたところ放射方向の周波数可変特性を示した。この対策後でも放射効率は依然低い状態であり、マッチングの問題があった。そこでNRDガイドの構造をイメージNRDガイドに変更し、導波管とイメージNRDガイドのトランジション部を別のタイプに変更したところ、放射効率を10倍以上改善することに成功し、干渉計に利用できるアンテナとして完成させることができた。 また、デジタルミリ波干渉計が取得できる"複数の測定位置に対応する周波数の異なる信号が1つの生データに重畳されている"信号を計算機で疑似的に生成し、分解および位相検出ができるがシミュレーションを行った。その結果、3000次のデジタルフィルタを用いて信号を分離できることがわかり、また全信号強度とノイズの強度が同程度でも適切にデジタルフィルタが働くことを確認した。実際のプラズマ計測で受信できる信号強度が減衰することが予想されるため、このシミュレーションにより、信号強度を増加させることができるアンプやパラボラリフレクタのパワーダイアグラムに対する仕様を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
9の概要で記述したように、当初NRDガイドアンテナの放射特性がシミュレーション結果と異なることがわかり、デジタルミリ波干渉計のアンテナとして利用できないことが判明したため。本来はプラズマ実験への適用を行う予定であったが、今年度はアンテナの改良に時間を大幅に費やした。そのため、プラズマ実験への適用は来年度(平成24年度)にずれ込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマ実験への適用のため、パラボラリフレクタやコーナーリフレクタの設計製作を行うと同時に、研究推進(時間短縮)のため実験室における誘電体を用いた模擬実験において、デジタルミリ波干渉計の原理実証を行う。 その後GAMMA10に設置しプラズマにも同様に適用できるか検証実験を行っていく。
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