2010 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスプラズマにおける磁気島の発生・成長機構の解明および能動的制御に関する研究
Project/Area Number |
22760662
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
諫山 明彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (90354597)
|
Keywords | 磁気島 / 新古典テアリングモード / MHD / 電子サイクロトロン波 / 電流駆動 / トカマク / プラズマ / 核融合 |
Research Abstract |
トーラス形状の磁場閉じ込め核融合装置では、磁力線が「磁気面」を形成しさらにその磁気面が同心円状の構造を持つようにすることで磁気面に垂直な方向の熱や粒子の拡散を抑えプラズマを閉じ込める。核融合プラズマにおいては磁気面が結合することにより磁気島と呼ばれる構造が形成される。磁気島が現れるとその部分での閉じ込め性能が劣化した結果プラズマの圧力が低下し、さらにトカマクにおいてはディスラプションに至る可能性がある。このことから、磁気島の発生・成長機構の解明し能動的制御のための手法を確立することが重要である。平成22年度は主にJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)に起因する磁気島がプラズマ回転に与える影響を調べた。本研究では磁気島の大きさを変えるために、磁気島近傍での電子サイクロトロン電流駆動の位置をわずかに変えることによりNTM磁気島を能動的に不安定化または安定化させた。その結果、磁気島幅が増加にするにつれモード周波数が減少する(トロイダル回転速度が減少することに対応)ことがわかった。また、その変化はf/f0=0.5*[1-(B/B0)]^(0.5)の形の関数でフィッティングできることを明らかにした。ここで、f、 Bはそれぞれモード周波数、磁場揺動強度(磁気島幅の0.5乗に比例)であり、f0、 B0は係数である。さらに、モード周波数が「磁気島幅がゼロのときの値」の半分までに減少するとそれまでのモード周波数の1/5程度までに急激に減少することがわかった。この状態で磁気島幅を徐々に減少させるとある磁気島幅でモード周波数が急激に増大することを観測した。このことは、この「遷移現象」が起きる磁気島幅にヒステリシスがあることを示している。プラズマ回転は抵抗性壁モードなどの不安定性を抑制するために重要と考えられていることから、このような遷移現象を回避することが重要であることが明らかとなった。
|