2012 Fiscal Year Annual Research Report
トーラスプラズマにおける磁気島の発生・成長機構の解明および能動的制御に関する研究
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22760662
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
諫山 明彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (90354597)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 磁気島 / 新古典テアリングモード / MHD / 電子サイクロトロン波 / 電流駆動 / トカマク / プラズマ / 核融合 |
Research Abstract |
本研究での目標は、(1)JT-60Uを初めとするトカマク型装置、およびヘリカル型装置における磁気島(磁気島に類似した現象も含む)の挙動の解明、(2)JT-60SAなどの将来の装置における磁気島の予測・制御装置の開発、(3)磁気島を能動的に制御することが可能な装置の1つである電子サイクロトロン加熱/電流駆動装置の開発から構成される。本年度の本予算枠では、(1)に関連してJT-60Uの新古典テアリングモード(NTM)が発生・成長する過程を解析した。ほぼ同一の実験条件の下で、NTM発生時の磁場揺動や電子温度揺動の分布を解析した結果、約80%の放電においては明確な電磁流体力学的不安定性がなくてもNTMが発生し、残り20%においてはNTM発生位置における小コラプスによりNTMがトリガーされていることがわかった。前者の場合は、NTMは周期的な振動から成長し、振幅が大きくなるとモード周波数が急激に減少する(「モードロック」)のに対し、後者の場合は、小半径の10%程度以上の幅をもつ磁気島が発生直後から現れ、回転周期も不規則となることがわかった。この小コラプスは以前JT-60Uで観測されたBarrier Localized Mode(BLM)であると考えられる。BLMがNTMをトリガーする現象は今回初めて明らかになった。BLMによりトリガーされたNTMは周波数が不規則に変化することから、電子サイクロトロン(EC)波のパワー変調による安定化が困難となる。このことからBLMを回避することが重要であることが示唆された。この成果をPlasma and Fusion Research誌に投稿した。本論文は査読の結果受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トカマク装置JT-60Uにおける磁気島の特性に関する解析が進展した。ヘリカル装置LHDにおける磁気島および類似した現象について検討を開始した。磁気島を能動的に制御するための手段の1つである電子サイクロトロン加熱(ECH)/電流駆動装置(ECCD)の開発において、高パワー・長パルス出力、2周波数ジャイロトロンでの発振ができた。また、JT-60SAやITERにおける磁気島制御に向けたECH/ECCD性能予測についても進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる平成25年度もこれまでの成果を踏まえて継続する。米国・ジェネラルアトミックス社のDIII-Dのデータ解析に関しては、磁気島制御実験に関するマシンタイムが確保できない可能性も考慮し、既存のデータを用いた解析で得られる結果を検討する。
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