2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22760666
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大山 直幸 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究主幹 (80354596)
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Keywords | プラズマ・核融合 / ELM / 輸送障壁 |
Research Abstract |
小振幅ELMの研究に関しては、ASDEX Upgrade装置において観測されているtype II ELMと呼ばれる別の小振幅ELMとGrassy ELMの異同を明らかにするため、プラズマの密度に対するELM特性の変化を調べた。その結果、type II ELM発生時は、密度が低くなるとELMが大きくなる傾向を初めて確認し、type II ELMとGrassy ELMは異なることが分かった。次に、ASDEX Upgrade装置とJT-60装置で同程度の規格化衝突度のプラズマでELM特性を比較した結果、ELMによる電子温度分布の崩壊の仕方が同程度であることが分かった。さらに、ASDEXUpgrade装置において以前の実験で得られた低規格化衝突度のデータと比較した結果、JT-60装置と同様に、規格化衝突度が小さくなるとELMが小さくなる傾向が見られた。本実験の結果、規格化衝突度が小さいと予想されるITERプラズマへのGrassyELM運転の可能性が高まったと考えられる。 ECHを用いたELM制御実験に関しては、ASDEX Upgrade装置における実験が装置の不具合等によるキャンセルされてしまった。そこで、JT-60U,ASDEX Upgrade,TCV各装置におけるELM周波数と周迦加熱パワーの関係を調べた結果、どの装置においてもプラズマ周辺部の密度が減少するとともにELM周波数が上昇することが確認できた。さらに、KSTAR装置においてもELM周波数が増加する結果が得られており、H24年度にELM制御性を検証する実験を提案する予定である。 これら一連の研究成果を国際トカマク物理活動(ITPA)会合において口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ASDEX Upgrade装置におけるELM制御実験がキャンセルされてしまったものの、TCV装置やKSTAR装置のデータを解析することで計画当初に想定した結果は得られているおり、研究全体としてはおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
プラズマ周辺部へ電子サイクロトロン共鳴加熱を行うことによる能動的ELM制御研究では、複数のトカマク装置でELM周波数の上昇が見られており、H24年度はITERプラズマでの制御性を検証するための詳細実験をKSTAR装置やASDEX Upgrade装置で実施する予定である。
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