2011 Fiscal Year Annual Research Report
トロイダル磁場リップルの周辺プラズマ構造形成への影響に関する研究
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22760668
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
浦野 創 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究副主幹 (70391258)
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Keywords | Hモード / 磁場リップル / ELM / ペデスタル / プラズマ / トロイダル回転 / JT-60 / JET |
Research Abstract |
本研究では、トカマク式核融合炉においてプラズマ周辺部に形成される輸送障壁によって閉じ込めが改善される高閉じ込めモード(Hモード)を対象として、トロイダル磁場リップル(コイルによって必然的に存在する磁場の非対称性)が周辺プラズマ構造と周辺部に局在する不安定性に及ぼす影響を理解し、将来の核融合炉における周辺プラズマ性能を定量的に予測することを目的としている。今年度は特にプラズマ境界構造特性およびトロイダルコイルの配置・サイズ・巻き数は装置毎に異なる(トロイダル磁場リップルの構造も異なる)英国カラム研究所のJET装置での実験と独立行政法人日本原子力研究開発機構のJT-60U装置実験の比較する解析を前年度に引き続き進展させ、論文発表を行った。JT-60U装置はフェライト鋼装着によって、またJET装置では各トロイダルコイルのコイル電流比を変化させることによってリップルを変化させる実験を実施した。低プラズマ電流放電ではJT-60U及びJETの両装置ともリップル低減によってペデスタル圧力に大きな差異は見られなかった。しかし両装置ともに周辺トロイダル回転はリップルの増大とともにプラズマ電流と逆方向へ増大した。一方で、高プラズマ電流放電ではJET装置においてリップルの増加に伴ってペデスタル圧力の低下が発生することが分かった。ITERのような低衝突周波数領域でのリップルのペデスタル構造への影響については今後の課題である。また今年度は、JET装置における金属壁導入によるHモード周辺プラズマ構造への影響に関しても実験参加を行った。燃料ガスパフによるスクリーニング効果によって主プラズマ部への金属流入は防ぐことが可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
独立行政法人日本原子力研究開発機構JT-60Uおよび英国カラム研究所JETにおける実験結果を解析し、主にトロイダル磁場リップル・トロイダル回転依存性に準じた周辺分布データベースに基づいたプラズマ境界構造の評価とELM特性の解析し、それらを包括的にまとめ、論文発表を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、JET装置における金属壁導入によるHモード実験に参加し、周辺プラズマ構造への影響に関して解析を行う。また、独立行政法人日本原子力研究開発機構JT-60UにおけるHモード周辺プラズマに対する水素同位体効果に関する解析を実施する。
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Research Products
(1 results)