2010 Fiscal Year Annual Research Report
高中性子照射量領域における原子炉圧力容器鋼の磁気特性
Project/Area Number |
22760670
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
小林 悟 岩手大学, 工学部, 助教 (30396410)
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Keywords | 照射脆化 / 磁性 / 非破壊検査 / 劣化予測 |
Research Abstract |
本研究の目的は、米国カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の協力の下、米国アイダホ材料試験炉で高照射量中性子照射した照射試験片、及び、熱時効試験片の磁気計測を行うことにより、高中性子照射量領域における原子炉圧力容器鋼の照射脆化と磁性の相関データベースの拡充、磁性変化のメカニズム解明、更には磁性変化に基づく脆化量予測式の構築を行うことである。平成22年度は、以下の様に磁気計測用治具の開発および熱時効実験を実施した。 1.磁気計測用治具の開発 中性子照射用微小引張試験片(SS-J2型:16×4×0.5mm^3}の高精度計測に最適化し、且つ、ホットセル内でマニピュレーターを用いて簡易に操作可能な磁気計測用治具を開発・製作し、その動作確認を行った。 2.熱時効実験 原子炉運転温度での磁気特性の応力緩和効果の基礎データ蓄積のため、米国UCSBより供与された原子炉圧力容器鋼及び鉄基合金の試料群(照射脆化のキー元素のCu, Ni含有量を系統的に変化)を上記の試験片サイズに加工し、真空高温炉を用いて290℃で長時間熱時効実験を開始した。3000時間までの熱時効では、全ての試料で有為な硬度変化は観測されなかった。一方、磁気ヒステリシス特性の保磁力は熱時効により殆ど変化しないか、もしくは、若干減少する振る舞いが観測された。高照射量領域での応力緩和の寄与成分を明らかにするため、熱時効実験を現在も継続中である。
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Research Products
(1 results)