2010 Fiscal Year Annual Research Report
大強度ペンシルビーム高速中性子源を用いた高精度中性子捕獲反応断面積測定
Project/Area Number |
22760675
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
木村 敦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究職 (30360423)
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Keywords | 原子力エネルギー / 中性子捕獲断面積 / 長寿命核廃棄物 |
Research Abstract |
燃料サイクルの廃棄物処理や革新炉の設計において重要な核種であるマイナーアクチニドや長寿命核分裂生成物の中性子捕獲反応断面積測定が、J-PARC・MLFの中性子核反応実験装置を利用して開始された。そこで、本研究では、J-PARC・MLFの出力の増強に合わせてコリメータを改造し、ビームスポットのにじみの小さい高品質な中性子ビームを作成するとともに、その実証として、^<244>Cmの熱中性子捕獲断面積を高精度で測定する事を目的に研究を行っている。 平成22年度においては、コリメータの設計・製作・据付け(交換)を行い、その後、ビームサイズの確認を実施した。具体的には、ペンシルビーム作製のため、最下流部に設置された長さ1.3mの可変コリメータ用にビーム幅が3.5mmΦの内挿入物を新規に設計・製作し、現在の挿入されている内挿入物の一つと交換を行った。設計に際しては、高速エネルギー中性子の遮蔽やターゲット位置でのガンマ線等をシミュレートした結果、高速中性子の遮蔽用のFeを100cm、減速及び熱中性子遮蔽用のボロン入りポリエチを20cm、ガンマ線遮蔽用のPb10cmからなる構造とした。また、中性子に感度があり、位置分解能が0.1mmである中性子用イメージングプレートを用いて設計通りのビーム径・ビーム位置になっている事を確認した。これにより、ターゲット位置で本影3.5mm・半影7mmとなるビームスポットのにじみの小さい高品質な中性子ビームを得ることができた。
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