2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス利用による高レベル放射性廃液からの有用金属分離回収に関する研究
Project/Area Number |
22760680
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
パラジュリ ドゥルガ 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (30512222)
|
Keywords | チオ尿素型吸着剤 / パラジウム選択性 / マイクロ波合成 / 放射性廃棄物 / バイオマス / 最大吸着量 |
Research Abstract |
当該年度は、酸や有機溶媒を使用しない吸着剤合成プロセスの構築を目指して、杉に官能基であるチオ尿素(CS(NH_2)_2)を直接修飾する合成法を開発するとともに、得られた吸着剤のPdに対する吸着能を調べた。具体的には、粉砕機を用いて粒径300μm以下とした杉粉末にチオ尿素を混合し、100、130、160℃の恒温槽内で30または60分静置して得られた材料を用いて、塩酸溶液中のPd(II)に対する吸着能を調べた。その結果、合成したすべての材料がPdに対して吸着能を有していたことから、加熱するだけで杉に官能基を直接修飾することが可能であり、また得られた材料は吸着剤として利用できることが分かった。この合成実験では恒温槽温度が高いものほどPdに対して高吸着率を示したことから、杉の加熱を恒温槽からマイクロウェーブ(電子レンジ)に変え、チオ尿素の量をパラメータとして、Pdに対する最大吸着量(mol/kg:杉1kgに吸着できる最大量)を調べた。その結果、重量比で杉粉末:チオ尿素=1:2で合成した吸着剤から最も高い最大吸着量0.34mol/kgが得られた。また、杉の水分量に着目した試験では、100度で1時間程度乾燥した杉粉末に0-30%の水及び重量比2.0のチオ尿素を添加した後、電子レンジで5または10分加熱して吸着剤を合成し、Pd最大吸着量を調べた。その結果、最も高い値のもので約1.0mol/kgのPd最大吸着量が得られた。
|
Research Products
(3 results)