2010 Fiscal Year Annual Research Report
中性子スピン干渉ラジオグラフィによる燃料電池内部の水及び電流密度分布の同時可視化
Project/Area Number |
22760684
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
林田 洋寿 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究員 (50444477)
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Keywords | 中性子スピン干渉計 / 磁気イメージング |
Research Abstract |
中性子スピン干渉計は物質中の磁場分布や空間磁場を精度よく観測することができる。更に、電流の作る磁場分布を観測することにより、非破壊で電流密度の観測も可能となる。本手法をラジオグラフィ法に導入することにより磁場分布や電流密度分布の2次元および3次元的可視化を可能とする。応用例として、例えば燃料電池の発電時の電流密度分布の可視化に繋がることが期待される。燃料電池は水素と酸素を燃料として発電する機構であり、発電に伴って水が生成される。生成水の挙動と発電機構、すなわち電流密度分布とは密接に関連しているとされており、更なる性能向上のためにはこれらの解明が重要とされているが、実際に発電の際の生成水挙動と電流密度との関係を明らかにした例は無い。本研究で提案するイメージング法はこれらの要求に対して強力な測定手法となることが期待される。しがしながら、実際に燃料電池の電流の作る磁場を観測するためには、中性子スピン干渉計の磁場に対する感度を向上させることが必要であった。中性子スピン干渉計の磁場に対する感度は中性子の波長分解能に依存しているため波長分解能を向上させることが求められた。定常中性子源において波長分解能の向上は中性子強度の減衰に繋がるため、感度向上には限界がある。一方パルス中性子においては、飛行時間法によって波長分解能を向上させることが可能である。本年度はパルス中性子に中性子スピン干渉計を適応させることに成功し、磁場に対する感度を従来よりも向上させることに成功した。
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