2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22760690
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
島崎 洋一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (30313787)
|
Keywords | 新エネルギー / 省エネルギー / 環境政策 / システム工学 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では、地域におけるエネルギー・温暖化対策を総合評価する数理モデルを開発する。対象地域から抽出したエネルギーデータベースに基づき開発した数理モデルを用いて、地域の温暖化対策のシナリオを定量的に提示することを目的とする。 対象地域は2009年3月に県内の二酸化炭素排出量を2050年にゼロと提示した山梨県であり、対象期間は1990年から2050年までである。今年度はデータベースの更新によって、昨年度に開発した最適化型のエネルギー技術評価モデルの信頼性を向上させた。特に、2011年3月に山梨県が公表したクリーンエネルギー賦存量等調査報告書に基づき、太陽光発電の2050年の設備容量上限値などを設定することが可能になった。また、日本のエネルギー基本計画をゼロベースで見直している状況を参照し、原子力発電の設備容量に関する3つのシナリオ(現状維持・拡大・縮小)および二酸化炭素排出量に関する2つのシナリオ(自然体・2050年に1990年比半減)を組み合わせて感度分析を行った。その結果、システムコスト最小化の観点から、山梨県における2050年の化石燃料、原子力、再生可能エネルギーの構成比率を定量的に示すことができた。 さらに、地域経済と温暖化対策の相互関係を検討するうえで、地域の産業構造と二酸化炭素排出量の特徴を明らかにすることは重要である。そこで、山梨県の産業連関表を用いて、32部門における1990年と2005年の二酸化炭素誘発量を算出し、部門別生産誘発額と部門別二酸化炭素誘発量の時系列変化を分析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中核となる最適化型のエネルギー技術評価モデルが完成した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、経済成長や人口増減などの社会シナリオが部門別エネルギー需要に与える影響をモデル化し、山梨県におけるエネルギー・温暖化対策を総合的に示す予定である。
|
Research Products
(4 results)