2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22770002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田辺 真彦 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 特任研究員 (30572333)
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Keywords | ヒストン / ヒストンバリアント / エピゲノム / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
1.目的・・・本研究では、ショウジョウバエの分子遺伝学を応用したスクリーニングにより、酵母や培養細胞を用いた研究では同定できなかった、動的ヒストン置換を担う「鍵因子」を取得することを目指す。さらに、新規「鍵因子」の機能解析を通じて、動的なH2A.Z置換反応の分子基盤を明らかにし、生体内におけるH2A.Z置換の意義を解明することを目的とする。 2.(1)1次スクリーニング・・・H2AvD新規相互作用因子の探索を目的として、「H2AvD変異体発現ショウジョウバエ」と「遺伝子欠損ライブラリー・ショウジョウバエ」との交配による1次スクリーニングを行い、「H2AvD変異体発現ショウジョウバエ」個体の表現型に変化を与える「遺伝子欠損領域」を同定した。(2)2次スクリーニング・・・上記「遺伝子欠損領域」に含まれる遺伝子ごとに「遺伝子変異ショウジョウバエ、あるいは、RNAi発現(ノックダウン)ショウジョウバエ」×「H2AvD変異体発現ショウジョウバエ」の交配を行った。 3.結果・・・1次、2次スクリーニングにより、単離、同定された遺伝子が「H2AvD新規相互作用因子」の遺伝子の可能性を有するものである。以下に、同定されたハエ遺伝子名(ヒトホモログ)を示す。CG6195(developmentally regulated GTP binding protein 2),pecanex(pecanex), Aac11(apoptosis inhibitor 5),CG11122,sec24(SEC24B),CG4646,bgm(acyl-CoA synthetase bubblugum family member),nuf,CG8026(solute camier family 25, member32),Mnf(myocyte nuclear factor,forkhead box K1),mRpL(mitochondrial ribosomal protein L43 isoform a),Ltd,brat(TRIM32)今後、これらの因子の中から、生化学的手法を用いてH2A.Z(H2AvD)と直接相互作用する因子を絞り込み、その機能解析を行うことで、H2A.Z置換反応の分子基盤を明らかにしたいと考えている。
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